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売れない芸人に舞い降りた一つのチャンス

作者: キクラゲ


僕の名前は米津健二、4年目のお笑い芸人だ。夢は大きな舞台でいろんな人に笑われること。

ただ今はまだ小さな舞台。

今日もストリートでネタを披露する。


するとネタ後、ある人が話しかけてきた。


?「あのぉ、もしもし」


健二「はい、もしもし」


?「私プロデュース業をしてる人です。米津げんしさんを我が社でプロデュースしたい」


健二「げんしではなくて、米津健二です」


?「失礼しました、4年剣士さん」


健二「よねづけんじです、さっき米津って言えてたっスよね?」


?「はぁ、まぁ、それはともかくプロデュースさせてください、契約金は100万で」


健二「あらまぁ、それはぜひとも詳しい話を聞かせてくださいな」


?「それではこちらに」


案内され、着いていく。

__所変わり、都内某所の事務所。


?「改めまして私○○という者です」


健二「はい」


名刺を渡される。名刺には○○という名前の横に社長と書いてある。


○○「....ごめん健診さん、改めて言いますが、あなたを我が社でプロデュースさせていただきたい」


健二「米津健二です、お前名前覚える気ないっスだろ。....プロデュースって事はおたくの事務所に所属させてもらえるっていう?」


○○「そうです。とりあえず契約書がこちらになります」


健二「なるほど、うん、契約するっスわぁ」


そして僕はついにメジャーデビューすることとなる。


あの日から数日後、事務所に再び訪れるとプロデュースの人が待っていた。

○○さんはCDを僕に手渡し口を開く。


○○「漏れずに便器くん、これデビュー曲として売り出すから」


健二「米津健二です、いい加減名前覚えろ金玉野郎。......デビュー曲?」


○○「うむ。これが歌詞な、CDに仮歌入ってるけど、そこはレコーディングでお前の声が入る。だからこれからレコーディングな」


健二「レコーディング??」


○○「そうだ、レコーディング。レコーディングスタジオに行くぞ」


健二「レコーディングスタジオ??」


○○「通称レコスタ。お前の歌声を録音する場所」


健二「歌声を!?」


○○「?が多いなしばくぞ」


健二「すんません、金玉の兄貴。でも僕お笑い芸人としてやってきたいんですけど」


○○「私女ですけど!!!冒頭読み返してこい、一言も私が男なんて言ってないだろ」


健二「まじっすか」


○○「あと、契約書にサインしたよな?契約書にはお前を歌手デビューさせる事を約束するって書いてあったんだけど」


健二「まじっすか」


○○「まじだ、それはともかくこれがデビュー曲の歌詞な」


健二「ういっす金玉の姉御」


○○「しばくぞ」


所変わって都内某所のレコーディングスタジオ


健二「戸越銀座にレコスタあるんすね」


○○「都内某所な、名前伏せる設定守れや。とりあえず入れ」


重たい扉を開けるとそこはレコスタ。

正式名称はレコーディングスタジオ。通称レコスタだ。俺の声を録音するところだ。

俺は今からシャウトしてくるぜ。


「yeah!!フラフラフラミンゴ!!

 何度も君をチラ見ンゴ!!

 車の事故後見る損保!!

 君を虜に、俺のマラチンポ!!」


CDとして最高の出来。

それ故か初日から好調で売れる。

テレビ局からデビュー曲について取材のオファーをされる。

快諾し出演する。


アナウンサー「それではお越しいただきました!!○○プロデューサーと米津健二さんです!!」


健二&○○「どーも!!」


アナウンサー「それではクロストークさせていただきまShow!!」


アナウンサー「いやぁ売り上げ好調ですね!」


○○「はい、中々良い売り上げです」


健二「ですね!金玉ねえさん、めっちゃ売れてますね!!」


○○「○二つを金玉って呼ぶのやめろ」


アナウンサー「金玉は放送ではカットになりますよ」


健二「そういえば初日から完売してる店いっぱいでしたよ!!」


アナウンサー「そうですね!売り切れ続出でしたね!」


○○「まぁ私の売り方も功を奏したかな?」


アナウンサー「確かに売り方は目新しい斬新な方法でしたね!!」


健二「なんか売り方特殊だったんですか?」


アナウンサー「え?ご存知ない??」


○○「あー、こいつアホだから知らないよ」


アナウンサー「そうでしたか。でしたら販売方法について説明させていただくと、CD屋以外のコンビニや書店など様々な場所で買えるという斬新な方法ですね」


健二「そうなんすね!!」


○○「そのアホキャラやめろ」

「あ、あと契約金なんだけど」


健二「はい!いつ頃ですか?」


○○「今月中に払えよ」


健二「え?」


○○「契約金の事、契約書に書いてあっただろ?契約するためにお金100万払えって」


健二「まじっすか」


アナウンサー「んっと、どういうことですか?」


○○「いやぁ、お恥ずかしいんですがウチの新人、ちゃんと契約書みてなかったみたいで」


○○「まさか貰えるモンだと思ってた?」


健二「はい」


○○&アナウンサー「はっはっは、マジウケる笑」


○○「ちなみにCDの売り上げについても書いてあったんだけど、見てなさそうだから説明するわ。CD等で出た収益は全額当社の物とする」


健二「まじっすか」


○○「また、契約後、当契約に関して一切の異議申し立てを受理しない」


健二「まじっすか」


○○&アナウンサー「はっはっは」


健二「まじっすか」


アナウンサー「ではそろそろこの辺で!また来週もみてくださいね、じゃんけんポイ!」


......こうして私は新たな夢を見つけました。

新しい夢は大きな舞台で沢山の人を笑かすこと。


....笑われることじゃない。

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