4 木符の戦い
⑤を投稿するのを忘れてました。申し訳ない。
「ひとぉーーつ! ふたぁーつ!!」
掛け声とともにカノンが白金の棍を振り回す。それに触れた小さく丸いカルマは蒸発するように空気に溶けて消えていくようであった。
「ふふん! この程度でしたらわたくしの『A』のほうが独壇場でしてよ! ―――エリア!」
アリシアの掛け声で、その手に持たれた4つの木符が蒼く輝く。それらをすぐさまカルマへと投げ込むと、意思を持つかのように4つの木符はカルマを囲むように包囲網を敷いた。
「―――アイスバインド!」
続けての掛け声でさらに木符は強く光を放った。包囲されていた空間に冷気が立ち込め、そのなかにいたカルマ7体が一挙に冷凍化、そして砕けて空気に消えた。
不思議なことに周囲の草木に影響はさほどなく、カルマのみが摂氏零度を越える現象を引き起こされていた。
「ふふーん! わたくしはもう7体ですわ! カノンさんの倍以上でしてよ! 倍以上っ!」
「うっさいわ! 勝負はこっから! どうせいつもみたいに疲れて木符の範囲操作だってできなくなるオチでしょ!」
「負け惜しみにはお早いですわよ!」
「いつも負けてんのはそっちでしょ!」
「負けてませんーっ!」
「遊びじゃねーんだけどなあ。ガキかこいつら。……ガキだったわ」
実年齢と照らし合わせてただ現実を噛み締める男は後方にて唯ながめているだけ。
しかし減り続けて徐々に目に見えるカルマが指で数えられる程度までになったとき、遺跡の地下へと続く暗闇から何かが近づいて来るのを男だけが感づいていた。