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異世界ナラティブ  作者: SW
第五章
92/105

【07】・・・・・おかしい


「そろそろ寝ましょ~」

「そうね、明日も朝から出掛けるしね」

「おい、まさか、、、」

「もう1泊だけ!」

「お願いします!」

「行きたいお店がいっぱいあるの!」

「ご主人様~、お願いします~」


こうなっらたら終わりだ、、、

結局いつものように押し切られて、明日も1泊する事になった。


「主様、あたしはどこで寝ればいいの?」

「ん?そこの空いてるベッドで寝てくれ」

「・・・・・あたしもリワンみたいに主様と一緒に寝たい!」

「いいよ~」

「待て!3人は無理だって、狭すぎるだろ!」

「ベッドをくっつけようよ」


リワンとラーニャは、余っているベッドをくっつけ始めた。

何故ここまでして俺と一緒に寝たいんだ?

俺を真ん中に寝かせて、リワンとラーニャが俺の両側で寝ている。


「あら、羨ましい」

「両手に花ですね」

「・・・・・代わってやろうか?」

「遠慮するわ、2人に悪いもん」

「明日は私と一緒に寝て下さいね」

「—————ぶっ!?」

「レイア!」


・・・・・おかしい

奴隷が増えたのに、楽になるどころか苦労が増えている気がする、、、





次の日、朝早くからみんなは町に出掛けて行った。

女の買い物に付き合う気は無いので、俺はアルギュロスと一緒にギルドに行って、アイテムボックスを作ってくれる道具屋の場所を聞いた。

ラーニャも冒険者になったんなら、これが必要になるだろう。

魔法の道具屋に行って、リワンと同じ大きさのアイテムボックスを注文した。

ラーニャは受け取りの時に連れて来ればいいだろう。

完成は明後日になるという事だから、最低でも1泊追加だな。

滞在が増える分には文句は言わないだろう。


港に向かい、途中で買った昼食をアルギュロスと一緒に食べながら、海に浮かぶ大きな船を眺めていた。

船を見ているといつか船旅もしてみたいと思ってきたが、やっぱり海にも魔物は出るんだろうか?

船には弓を背負った冒険者風の団体や、いかにも魔法使いという恰好をした人達が乗船しているから、魔物は出ると思っておいた方が良さそうだ。

でなきゃ装備は外しているだろうし。


甲板に大量の木箱が乗っている貨物船のような船からは、たくさんの荷物が降ろされている。

ローラーのような物が付いた大きな板を甲板にかけ、そこに木箱を流している。

降ろされた木箱は馬車に乗せられ、その馬車は町中に向かって行ったり、少し離れた所にある倉庫のような建物に運ばれたりしている。

そこでは3m近くありそうな、ガタイのいい種族が作業をしていた。

《看破スキル》で見てみると、巨人族という種族らしい。

見た目そのままの名前だった。

船に荷物を積み込むときはどうしてるのか見たかったが、荷降ろししか見れなかった。




夕日が海の色を変えていく。

群青から黄金、そしてこの後は漆黒へと変化していくのだろう。

こんな景色を見ながら風呂に入れたら、たまらなく気持ち良さそうだ。

もう少しここで景色を眺めていたいのだが、そろそろ戻らないと連中が騒ぎ出すに違いない。

アルギュロスと一緒に宿に戻って、みんなと夕食に出掛けた


「明日、もう1泊するからな」

「何でよ!」

「怪しいですね」

「怪しいです~」

「え、えっ?何?」


連中はいつも通りだ。

ラーニャ1人がキョロキョロと慌てている。


「ラーニャのアイテムボックスが明後日完成するから、明日もここに泊まる」

「えっ!?あたしの!?」

「冒険者になるんなら、アイテムボックスはあった方が便利だぞ」

「よかったね」

「私もご主人様に買ってもらったんですよ~」

「・・・・・主様、ありがとー!」


ラーニャは俺に飛びついて、胸に頬をスリスリしている。

頭を撫でてやると、嬉しそうにニコッと微笑んできた。


「早く食わないと飯が無くなるぞ」

「うん!」


ラーニャもだいぶ馴染んできている。

リワン程じゃないがよく食べる。

今はちょっと細すぎるから、そのうち丁度良くなるだろう。

それも考えて服を買っているんだろうか?




「明日、私達と一緒に買い物に行かない?」


たらふく食って宿に帰ると、ヒトミがとんでもないことを言い出した。

寝言は寝てから言ってくれ!


「行かない!」

「何でよ!」

「女の買い物に付き合ったって、良い事なんて1つもない!」

「たまにはいいじゃないの!」

「ご主人様~」

「あたし達と一緒に行こうよ」


全員が「お願い!」と俺を拝んでいる。

嫌な予感しかしないが、仕方がない。


「明日だけだぞ、、、」

「わーい!」

「そうと決まったら、早く寝ましょう!」

「そうですね」

「ご主人様~、こっちですよ~」


今日も俺の隣にはリワンとラーニャがいる。

しばらくすると、両隣から可愛い寝息が聞こえてきた。


明日の事を考えると気が重い。

何事もなく平穏に終わってくれればいいが、、、


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