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異世界ナラティブ  作者: SW
第五章
87/105

【02】これぞキャンプ!


次の日メラゾニアを出て、モンブリーに向けて出発した。

適度に町に寄って疲れを取りながら行こうと思う。

たくさんの馬車とすれ違いながら、綺麗に整備されている道を進んで行った。


リワンと交代で馬車を走らせ、日が傾き始めた頃、キャンプに良さそうな広場に到着した。

周りには他の馬車が何台か止まっている。

恐らくこの人達もここで1泊するのだろう。


「今日はここで寝るか?」

「もうちょっと人が少ない場所がいい」

「何で?人がいるから何かあった時に、助けてもらえそうじゃないか」

「だって、お風呂入りたいし、魔物避けの薬草使われるかも知れないじゃない」

「アルちゃんが可哀想です~」

「風呂はテントの中で入ればいいだろ。それにこれだけ離れてたら、薬草を使われても大丈夫だって」

「お願い!もうちょっとだけ進もうよ」

「お願いします」

「は~、わかったよ、、、」


我儘なお嬢様達の希望通り少し進んで脇道に入り、まばらに木が生えている草原で1泊する事にした。

わざわざここまで入って来るような物好きはいないだろう。


寝ている時に何回か魔物の夜襲を受けた。

レベル25ぐらいのヘビの魔物だ。

レベルの高い魔物だったが、特に問題なかった。

リワンが見つけて、ヒトミが倒すだけで終わる。

リンガンブールに行く途中で襲われた、蛙の魔物に比べたら楽なもんだ。

あの時は雨で、迎撃の度に着替えていたから大変だった。





「ご主人様、昨日のヘビの魔物が2体います~」

「どこだ?」

「もう少し先です~。でも~、誰かが戦っているみたいです~」


そのまま馬車を走らせると、大きなヘビの魔物と、それを囲む数人の人影が見えてきた。

遠くから見る限りでは、どうやら魔物の方が優勢だ。

ヘビの攻撃を受けて、飛ばされている人影が見える。


【 グラトナススネイク Lv.27 魔物 】【 毒攻撃 牙攻撃 毒耐性 】


魔物の情報をみんなに伝え、今のうちに指示を出す。


「もう少し近づいたら、助けに行くぞ」

「うん」

「俺とヒトミとレイアで攻撃。リワンはこのまま馬車で待機」

「わかりました~」

「魔法を撃つ時は、あの連中に当てないように気を付けてな」

「はい」

「ヒトミ、あんまり目立つなよ」

「わかってるわよ!」


馬車のスピードを上げて、戦闘区域に入った所で飛び降りて魔物に接近した。

レベルの高い方を引き受けようかな?


「こっちは俺らで相手します!」

「す、すまない!」


こっちの魔物を相手していた数人が、もう1体の魔物の方に向かった。

ヒトミに魔物の相手をさせながら、隣のパーティーの様子を伺う。

レベル20ぐらいの冒険者が全部で8人、盾を持った2人が攻撃を引き付け、周りを取り囲んでいる他の人達が、隙を見て槍や魔法で攻撃している。

たまに盾役が弾き飛ばされているが、大きく崩れることなく対応していた。

こっちもチクチク攻撃しながら、隣のパーティーとタイミングを合わせて魔物に止めを刺した。


「ありがとう、助かったよ」

「いえいえ、お互い様ですよ」


お礼をしたいと言われたが、先を急ぐのでと断った。

いろいろ聞かれると、面倒な事になるかもしれない。


「普通はああやって戦うのかな?」

「さっきの人達か?」

「うん、盾を持った人がずっと攻撃を受け持ってた」

「ゲームだとよくあるぞ」

「ふ~ん、そうなんだ」

「俺達は誰も盾を使わないからな」

「あんたが使えばいいんじゃないの?」

「断る!」

「あんたが殴られてる間に、倒してあげるから」

「殴られるの前提かよ!」




今までと違って今回の旅は、途中でたくさん道が分かれている。

分かれ道には、道標が立てられており、道を間違える事は無い。

これならレイアに頼らなくてもジェロイまで行けるかもしれない。

ヴァルアからメラゾニアに行った時は、ここまで分かれ道は多くなかった。

こっち方面には町が多いんだろう。

住むのにいい町が見つかればいいが、、、


今日は道から外れ、川に沿って少し上流に上った場所でキャンプをする事にした。

夕食にはレイアが取って来てくれた魚を使った。

アルギュロスには焼き魚を食べさせてみたが、特に気にすることなく、頭から丸かじりしていた。

今のところ、アルギュロスが苦手な食べ物は無い。

たまにはこうやって現地調達して、飯を作るのもいいもんだ。

これぞキャンプ!


翌朝もレイアが取って来た魚に串を刺して塩焼きにしたが、これを食べていると激しくご飯と味噌汁が欲しくなった。

いつか味噌も何とかしたいところだ。

明日以降の飯の為に、出発の時間まで、レイアに魚を取ってもらった。





数日後、小さな町に到着した。


「まだ先も長いし、明日もここでゆっくり休んで、出発は明後日にしようか?」

「やったー!」

「早速、買い物に行きましょう!」

「私も行きます~!」


どこの町に行っても買い物に行きやがる。

何をそんなに買う物があるんだろうか?


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