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異世界ナラティブ  作者: SW
第五章
86/105

【01】俺の味方はお前だけだ、、、


出発当日の朝。

目を開けるとみんなが朝食の準備をしていた。

まだ早いと思うが、昨日も夜遅くまで話をしてたし、それだけ楽しみなんだろう。


家を出て馬車に乗り、町から出た所でメラゾニア近くの転移ゲートまで飛んだ。

そこからメラゾニアに向かいながら、レイアにエルフの森について聞く事にした。


「どうやってここまで来たか、分からないんだよな?」

「すみません、商隊の後ろに付いて来ただけなので、、、」

「取り敢えず、どこに行けばいいんだ?」

「ジェロイと言う小さな村まで行ければ、後はお任せください!」

「出来れば、ここからお任せしたかったんだが、、、」

「す、すみません、、、」


メラゾニアに入り、俺とレイアがギルドで聞き込み、ヒトミとリワンが買い出しに向かった。

もちろんアルギュロスは馬車で留守番だ。


ギルドでジェロイの村の事を尋ねてみたが、曖昧な情報しか得られなかった。

レイアの方もダメだったらしい。


「聞いて来ますので、馬車で待ってて下さい」

「聞くって、誰に?」

「エルフです」


そう言い残して、レイアは巡回馬車に乗って行ってしまった。

メラゾニアは大きな町だから、エルフはいるだろうけど、こんな大きな町で探せるのか?




言われた通り、馬車に戻ってアルギュロスと遊んでいたら、ヒトミとリワンも帰って来た。

昼飯時になってもレイアは戻ってこなかったので、俺はリワンを連れて探しに行く事にした。

見つからなくても夕方に戻って来る事を馬車に残していくヒトミに伝え、リワンと一緒に冒険者が多そうな所に移動して、レイアを探しながら歩いていた。


「どうだ、レイアは見つかりそうか?」

「う~、人が多すぎてレイアお姉さんの匂いがわかりません~」

「まぁ、これじゃあ仕方がないか、、、」


久し振りにここに来たが、相変わらず大きな町だ。

頼みのリワンでも無理なら、闇雲に歩き回ってもしょうがないと思い、飯を買って馬車に引き返した。


「あっ、帰って来た」

「おかえりなさい」

「レイア、戻って来てたのか?」

「あんた達が出て行って、ちょっとしたら帰って来たわよ」

「エルフには会えたのか?」

「はい」

「じゃあ、昼飯食いながら話を聞かせてくれ」


レイアが聞いてきた話によると、ジェロイまでは約1ヶ月。

ここメラゾニアから順に、モンブリー、サザランド、ジェロイと町を巡って行く。

その途中にいくつか小さな町や村があるようだ。

かなりの長旅になりそうな気がする、、、

しかし米と家の為だ、仕方がない。




今日はメラゾニアで1泊して、明日からモンブリーを目指して出発する事にした。

みんなでギルドに向かい、アルギュロスと泊まれる宿、それとモンブリーまでの経路を聞いて宿を取りに行った。


「お買い物に行きましょう!」


部屋に入るとすぐに、レイアが声を上げた。


「アイテムボックスを手に入れた私に怖い物はありません!」

「付き合ってあげる」

「私も行きます~」

「じゃあ、俺も出掛けるかな」

「あんたはダメよ!」

「何でだよ!」

「・・・・・ミーちゃんに会いに行くんでしょ!」

「ち、違う!ここにいても暇だから町をふらつくだけだ」

「ミーちゃんって誰ですか~?」

「こっちに来て、教えてあげる」


ヒトミはレイアとリワンを部屋の隅に連れて行って、ひそひそと小声で話をしている。

話終わって振り返った2人が、ゴミを見るような目を俺に向けてきた。


「ご主人様はアルちゃんとお留守番です~」

「それがいいですね、アルちゃんをお願いします」

「夕飯までには帰って来るわ」


3人は俺をチラチラ見ながら、部屋から出て行った。

—————惨い、、、


そんな俺の気持ちも知らずに、アルギュロスは尻尾をパタパタ振りながら、俺の周りを走り回っている。

俺の味方はお前だけだ、、、

米よりも一人暮らしを優先すべきなのか—————

俺はアルギュロスを抱きしめて、ベッドに倒れ込んだ。




夕方になって帰って来た3人と、夕食に出掛けた。

わざと居酒屋のような店を選び、大袈裟に声を出しながら、美味そうに酒をあおって見せた。


「ぷはぁー、美味い!」

「「「・・・・・」」」

「どうした?みんなは飲まないのか?」

「・・・・・きょ、今日は飲まない」

「私も大丈夫です、、、」

「いらないです~」


みんなにも酒を飲ませて潰そうとしたが、3人は歯を食いしばって耐えている。

食事を終えて部屋に戻ると、俺はドアから一番遠いベッドを与えられた。

その上、わざわざ使わないベッドを、ドアの前に移動させている。

これは外からの侵入者を防ぐ為ではない。

俺を外に出さない為だ。


寝ている時も、リワンが俺の腕をガッチリ捕まえていた。

—————ちくせう!

鉄壁のディフェンスを前に、俺のスケベ心は粉々に砕かれてしまった、、、



—————今年、最初の更新になります。

気持ちも新たに、頑張って更新していきたいと思います。

今年もお付き合いのほど、よろしくお願い致します。


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