【幕間】食への執着
【09】話頃のお話です。
今日もリワンさんと一緒に狩りに来ています。
もちろんお金の為です。
と言うよりも、アイテムボックスの為です。
私以外の3人はみんなアイテムボックスを持っています。
・・・・・私だけなんです。
魔物を倒した後で、コソコソと魔石やアイテムを拾っているのは、、、、
—————惨めです
次こそはアイテムボックスを買ってみせましょう!
綺麗な服やアクセサリー、美味しそうな食べ物、よく飛びそうな弓、、、
そんな誘惑には決して屈しません!
待っていなさい、アイテムボックス!
今度こそあなたを私の物にして見せます!
リワンさんと川で昼食を食べながらお話をしました。
「レイアお姉さん、この前のオムレツはとても美味しかったですね~」
「ええ、私も驚きました」
「卵の上に私の名前が書いてありました~」
「あれは可愛かったですね」
初めて食べたオムレツという食べ物はとても美味しかったです。
マヨネーズもとても野菜に合います。
まだ若いのに、あの2人はいろんな事を知っています。
特に食に関しての知識は、私の及ぶところではありません。
みんなと一緒に行動するようになってからは驚きの連続です。
◇
「こんなの食べてると本当にご飯が欲しくなるわね」
「確かに、、、」
夕食を食べながら2人が話をしていました。
ご飯とはどういう物なのでしょうか?
2人は白くて小さな粒だと言っています。
1つだけ心当たりがありますが、食にうるさそうなこの2人が欲しがるような物ではありません。
パンの方がずっと美味しいです。
「・・・・・白くて小さい粒ですか?」
「レイア、見た事あるの?」
絶対に違うと思ったのですが、一応2人に絵を描いて見せました。
少し欠けた細長い円。
確かこんな感じだったと思います。
—————あれ?
2人の目が大きくなった気が、、、
もの凄い勢いで私にこの食べ物の情報を聞いてきました。
落ち着いて下さい!
そんなに近づかなくても、知ってる事はお話ししますから、、、
わ、私に怒らないでください、、、
横でリワンさんが怯えていますよ。
私の話を聞いて、近いうちにエルフの森に行くと言い出しました。
2人は固く握手をしながら、不気味に笑っています。
悪い顔です、、、
今日の夢に出て来そうです、、、
2人をそっとしておいて、私はリワンさんと小声でお話ししました。
やはりリワンさんもさっきは怖かったみたいです。
「でもお米という物を使ったお料理は楽しみです~」
ええ、その通りです!
私も凄く楽しみになりました!
2人の作る料理に間違いはありません!
・・・・・でも少し不安もあります。
もし2人の言っているお米が、私の知っているライスとは違っていたら、、、
—————こ、怖いです!