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異世界ナラティブ  作者: SW
第一章
8/105

【07】それはわかる気がする、、、、


「最初、ヒトミに会った時は見えなかったのに、何で急に情報が見える様になったんだ?」

「知らないわよ!とにかくこの事は絶対他人に話しちゃダメだからね。バレた時にどうなってもしらないから!」

「あ、ああ」

「それと私のレベルも言っちゃダメだからね、絶対よ!」

「わかった」


俺の顔を指さして忠告し、ゆっくりと椅子に座り直した。


「どこまで話したか忘れちゃったじゃない!」

「・・・すまん」

「タグの事はこんな感じでいいでしょ?」

「ああ、わからない事があったらその時に聞くよ」


タグの説明はもう必要なかったが、最後に1つだけ気になった事を聞いてみた。


「なぁ、1つ聞いていいか?」

「ん、質問ね。いいわよん」

「レベル68でDランクって普通なのか?」

「・・・・・普通じゃないわ。聞いた話だと60以上ならAランクってとこね」

「つまりヒトミはランクを上げたく無いって事か?」

「ええそうよ、目立ちたくないの。強い事がわかるといろんな人に目を付けられそうじゃない?王族や貴族、他にもいろいろ。私はこの町みたいな小さな所で平和にのんびり暮らしたい。高いランクなんて邪魔なだけよ」


それはわかる気がする、、、、

面倒な事には俺も関わりたくない、特に権力者には。

ほどほどが一番いい。


「確かにそうだな、俺とヒトミの秘密は口外しないと約束するよ」

「絶対だからね!」




昼からの予定を話しながら昼食を食べ、クエストに行く準備を始めた。

剣を持って立ち上がった後、防具を持っていない事に気が付く。


「防具はヒトミが持ってくれてるんだよな?」

「あっ、アイテムボックスの話するの忘れてた!」

「やっぱりあるんだな」

「知ってたんだ?」

「いや、知ってたっていうか予想はしてた」

「使える?」

「いや、使い方がわからん」

「簡単よ、アイテムボックスから何をどこに出すか強く念じるだけ」


まるで手品のようにヒトミの両手の上に鎧が現れる。

そして手を伸ばしてその鎧を俺に差し出した。


「あ、ありがとう」


鎧を受け取ってそのまま装備しようとしたが、ヒトミは鎧を持ったまま手を離そうとしない。


「装備する前に自分のアイテムボックスに入れてみて。『この鎧をアイテムボックスに入れる』って強く念じればいいから」


言われた通りにやってみると、両手にあった鎧が目の前から消えてしまった。


「うおっ!」

「やっぱり最初から使えるんだ、、、」

「最初から使えるのはやっぱりおかしいのか?」

「普通は魔法で作るみたいよ、かなり高価みたい。でもアイテムボックスは私も最初から使えたんだけどね。じゃあ、今度は今入れた鎧を出してみて」


もう一度念じてみると今度は両手の上に鎧が現れる。


「うん、大丈夫みたいね。ちなみに少し離れた所にある物でも触れていればアイテムボックスに入れる事ができるの」


ヒトミは少し離れた所から自分の剣を抜き、腕を伸ばして剣先を俺の鎧に付けた。

それと同時に鎧は消える。


「ね、楽でしょ?」


そう言いながら再び出した鎧を俺に渡す。

軽い革の鎧だ、着てみると体の大きさに合わせてサイズが変わる。


「———すげぇ!」

「少しくらいサイズが違ってても、体に合うように変わるの。さすがに子供サイズの鎧を大人が装備するのは無理だけどね」

「便利だな」

「剣も入れてみてよ。取り出す時に剣を握っている事をイメージすればその通りに出てくるわよ」


鎧を装備してから剣の出し入れを練習してみる。


「そういえば何でヒトミは剣を出してるんだ?アイテムボックスに入れればいいのに」

「周りの人に剣を持ってるって事を見せたいからよ」


剣を周りに見せる事で身を守ってるのか、やっぱり女の子は大変なんだな。

確かに剣を持った人には話かけにくい。


「そろそろ行こうと思うんだけど、、、」

「ああ」

「その前に1つ確かめたい事があるの」

「ん?何?」

「・・・・・あんた、私のアイテムボックスを操作できる?」


まださっきの事が気になっているんだろう。

腕を組み、俺をジロジロ見ながら聞いてくる。

確かめる為にヒトミのアイテムボックスをイメージして念じてみるが残念ながら何も起こらなかった。


「———ダメだ、無理だな」

「ダメじゃないわ!それでいいのよ!」

「そうだったな」

「あー、よかった。これで安心したわ。もし他人のアイテムボックスが操作できたら、どっかの怪盗も真っ青な大泥棒になれちゃうもんね」


ヒトミはニコニコしながらドアを開けて外に出て行った。


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