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異世界ナラティブ  作者: SW
第四章
79/105

【25】接待は終了したらしい、、、


次の日、俺は二日酔いになっていなかったので、いつも通り狩りに出掛けた。

今日も肌を刺すような厳しい寒さだ。

こっちでも雪は降るんだろうか?

それぐらい今日も寒い。


家を出る前、3人はまだ眠っていた。

アルギュロスだけは起きていたから、庭で少し遊ばせて飯を食べさせておいた。

どうせあいつらは二日酔いになっているだろうと思い、テーブルの上に薬を置いてきた。


ギルドでクエストを確認したが、報酬が高額なだけで、特に目新しい物は無かった。

寒いから外には出たくないが、やはり稼ぐなら今がチャンスだ。

黙々と狩りを続け、ついでに薬草も採取して家に帰った。




「ただいま」

「「「ごめんなさい!」」」


俺の知らないうちに「ただいま」に対する返事が「ごめんなさい」に変わったらしい。

扉を開けると、3人が土下座で迎えてくれた。

ヒトミが教えたんだろう。

人に土下座されたのは初めてだ。


「お風呂の準備が出来ております」

「ご主人様~、お背中流しますね~」


ニコニコしているリワンに風呂場まで連れて行かれた。

長い事ここに住んでいるが、初めてヒトミの家の風呂に入ったな、、、

今まで入らせてくれなかったくせに、、、

リワンに背中を流してもらった後で、ゆっくり湯に浸かり、寒さと疲れを取り除いた。

風呂から上がってリビングに戻ると、豪華な食事がテーブルに並べられていた。


「こちらにお座り下さい」

「ご主人様~、こっちですよ~」


手招きしているリワンの所に行くと、その隣には短いスカートに着替えたレイアが座っていた。

恥ずかしそうに頬を赤らめるレイアの綺麗な生足が、魅惑のオーラを放っている。

リワンは俺を椅子に座らせた後、ニコニコしながら肩を揉み始めた。

嫣然(えんぜん)と微笑むレイアにお酌をしてもらい、ヒトミが取り分けてくれたご馳走を口に運んだ。


「・・・・・一体これは何の真似だ」

「昨日のお詫びでございます」

「ご迷惑をお掛けしました」

「ごめんなさい~」


そう言って3人は深々と頭を下げた。

少しは反省しているみたいだな。


「しょうがない、今回は許してやろう」

「ありがたき幸せ!」

「ありがとうございます!」

「ありがとうございます~!」

「早く食わないと、飯が冷めるぞ」


それを聞いて、みんながパッと俺から離れていった。

接待は終了したらしい、、、

レイアもいつものズボンに履き替えてしまった。

美しい御御足(おみあし)が隠れてしまったじゃないか!


「許してもらえて良かったね!」

「はい、安心しました」

「ご主人様は優しいから当然です~」

「あれ?リワンちゃんが一番心配してたんじゃないの?」

「そんな事ありませんよ~」

「ご主人様に嫌われます~って泣いてたのに?」

「それは内緒です~!」


リワンが頬を膨らませながら、ヒトミの腕をポカポカ叩いている。


「昨日、どんな醜態を晒したのか覚えてるのか?」

「・・・・・覚えていません、ヒトミさんに教えてもらいました」

「私もです~」

「大変だったんだからね!」

「・・・・・人の事言えないだろ」

「うっ、、、」

「ヒトミお姉ちゃんは何をしたんですか~?」

「俺の悪口を俺に言っていた」

「・・・・・」

「夜中まで延々と、、、」

「・・・・・ごめんなさい」





次の日から3人は酒を控えるようになった。

俺が飲んでいると、チラチラ横目で見てくる。

記憶が無くなるまで飲まないなら、別に飲んでもいいのに、、、


「飲まないのか?」

「・・・・・いいの?」

「潰れるまで飲まなきゃ別にいいよ」

「コップ持って来る!」


ヒトミが棚からコップを持って来て、みんなに配っている。

すぐに酒を注いで、美味そうに飲み始めた。


「そういえば、この前がクリスマスって言ってたよな?」

「もうすぐ年が明けるから、逆算するとたぶんあの日がクリスマスよ」

「暦ってあるのか?」

「一応ね、私はあんまり気にしないけど」

「俺も今日が何月何日とか全く気にしなくなったな」

「こっちでは1ヶ月が30日で1年が12ヶ月よ」

「分かりやすいな」

「ギルドに暦があるでしょ?見た事ないの?」

「そんなのあったっけ?」

「指定クエストの方の受付にあったと思うから、今度探してみたら」


指定クエストはあんまりやらないから、気付きもしなかった、、、

確かに日付が無かったら、期限とか決められないよな。


「年が変わる時って何かやるのか?」

「お祝い事だから、パーティーとかするんじゃないの?」

「ヒトミはどうしてたんだ?」

「今まで1人だったのに、何が出来るっていうのよ!」


寂しい年末年始を過ごしていたようだ、、、


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