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異世界ナラティブ  作者: SW
第四章
76/105

【22】ここはキャバクラか?


店を出て馬車に戻った。

今度はヒトミとレイアが出掛ける番だ。


「レイアも一緒に行って来てもいいぞ」

「いいんですか?」

「アルギュロスは俺が見ておくから」

「ありがとうございます、行ってきます」

「じゃあ、気をつけてな」


3人を送り出して、俺はアルギュロスと留守番だ。

アルギュロスは馬車の中を走り回っていたが、俺が寝転がっていると腹に乗って来たので、そのまま撫でてやった。

目をつぶって大人しくなったが、尻尾はパタパタ動いているので寝てはいないんだろう。


取り敢えずアイテムボックスが出来上がるまでの2日間、宿をどうするか考えた。

3人を宿に泊めて、俺は馬車でアルギュロスと寝ようかな?

こいつは大人しいから、リードでつないでおけばいい。

そのまま夜のお店に出掛けても、大丈夫だろう。

もし馬車で寝るとか言い出したら、危ないから女の子は宿で寝ろって言ってやればいい。




アルギュロスと一緒にゴロゴロ遊んでいたら腹が減ってきたので、アイテムボックスから適当に食べ物を取り出して食べる事にした。


「ただいま~」

「はい、これお昼ご飯」


飯を食い始めたと思ったら、3人が帰って来た。

買ってきてくれた飯を受け取って、アルギュロスと分けて食べる。


「アイテムボックスができるまでどこで寝るんだ?」

「ここでいいんじゃないの?」

「俺がアルギュロスとここで寝るから、みんなは宿で寝てもいいぞ」

「「「・・・・・」」」

「女の子が外で寝るのは危ないだろ?宿が使える時はそっちで寝た方が安全だ」

「・・・・・怪しいわね」

「・・・・・怪しいですね」

「・・・・・怪しいです~」

「何がだよ?」

「私達を追い出して、エッチな店に行く気でしょ!このスケベ!」

「・・・・・いきなり俺にキスしてきた3人には言われたくないな」


3人は驚いた顔をして、顔を真っ赤にしながら、お互いの顔をチラチラ見ている。


「とととと、とにかく今日はみんなここで寝るからね!」


ヒトミは顔を真っ赤にしたまま俺を指さして叫び、そのまま3人で馬車から出て行った。

残された俺とアルギュロスは、取り敢えず買って来てもらった昼飯を口に運んだ。


晩飯まで特にやる事も無いので、連中が帰って来るまではアルギュロスと戯れた。

今日はよく遊んだ。

相手は魔物だったが、、、




夕方になって3人が帰って来たので、交代して晩飯に行く。


「じゃあ、先に晩飯食ってくる」

「私達まだ食べてないんだから、早く帰って来なさいよ!」

「・・・・・行って来る」

「返事は!」

「・・・・・善処する」

「やらないって言ってるようなもんじゃないの!」


ギャーギャーうるさいヒトミの声を背中で聞きながら、馬車を降りて町に向かう。

今日は飯を食ったら、大人しく帰ってやろう。

ちゃんとした昼飯が食えなかったから、晩飯はいい物を食べ、酒とつまみを買って帰った。


「あっ、帰って来た」

「おかえりなさい~」

「早かったじゃない?」

「早く帰って来いって言ってただろ?」

「・・・・・ふ~ん」

「何だよ?」

「何でも無いわよ。じゃあ私達も行って来るね」

「ああ」


3人が出掛けてから、酒とつまみを取り出し、アルギュロスにも肉串を分けてやった。

昨日までは温泉に入りながら酒を楽しんでいたのに、今は馬車の中で飲んでいる。

落差が激しすぎるな、、、




「ただいま」

「おかえり」

「あれ?飲んでるの?」

「ああ、飯食った帰りに買ってきた」

「私達も買ってきたんです」

「・・・・・飲むのか?」

「何か言いたそうね?」

「飲み潰れるなよ?」

「わかってるわよ!」


まるで宴会でも始めるかのような、たくさんの酒とつまみを取り出して、馬車の中に広げだした。


「ほら、コップ出しなさい」

「へ?」

()いであげるから」


コップを差し出すと、ヒトミが酒を注いでくれる。

それを飲み干すと、今度はレイアが注いでくれた。

リワンの方を見ると、ワクワクした顔で酒を持って待機している。

ここはキャバクラか?


「何を(たくら)んでるんだ?」

「何も企んでないわよ!」

「・・・・・」

「こんな綺麗どころにお酌してもらえるなんて、あんたホント幸せ者ね」

「・・・・・」


もしかしてこれは夜遊び代わりのおもてなしなのか?

俺のコップが空になると、誰かがすぐに酒を注ぎにくる。

その上、飲み干すのを待ち遠しそうにしているから、ペースも早くなってしまう。

しこたま飲まされ、そのまま気を失うように寝てしまった。


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