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異世界ナラティブ  作者: SW
第四章
67/105

【13】何故か3人に睨まれる俺、、、


「おはようございます」

「おはようございます、今日はよろしくお願いします」

「では、こちらに来て下さい」


フォルミナさんの案内で店の奥に向かう。

案内された部屋にはたくさんの棚が並び、テーブルの上にはすり鉢や小さな壺などが置かれていた。


「ここに座って下さい」

「はい」

「私が調合するので、最初は見てて下さい」


俺はフォルミナさんの隣に座って、彼女の作業を見学した。

何種類かの乾燥させた薬草から葉っぱだけを千切って、すり潰している。

それをすべて混ぜ合わせて袋に入れ、その袋に根の付いた別の薬草を1束入れる。

袋の口を紐で縛って完成。


「これで終わりです」

「簡単そうに見えたんですが、、、」

「ええ、簡単ですよ。この前も言いましたが、薬草を取って来るのが大変なんです」

「わかりました」

「では、今度は分量などを言いながら作業しますので真似して下さい」

「やってみます」


混ぜ合わせる3種類の薬草の特徴や取り扱い方、保存方法などをメモしながら調合していく。


=《錬金術スキル》を獲得しました=


おっと、今日の目標が達成できたみたいだ。

薬草もすぐに完成してしまった。


「これで終わりです」

「本当に簡単でした」


最後に薬草が生えている場所の地図をもらった。


「フォルミナさん、ここにある調合道具って販売してないんですか?」

「ごめんなさい、私達も雑貨屋さんで購入しているんですよ」

「そうでしたか、帰りにでも寄ってみます」


フォルミナさんにお礼を渡し、店を後にする。

雑貨屋に寄って、フォルミナさんと同じ調合道具を購入した。


このまま薬草を取りに行こうとしたが、今日は3人が馬車を使っている。

諦めてギルドに向かい、リンガンブールの情報を教えてもらって家に帰った。




みんなが揃ったところで今日聞いて来たリンガンブールの話をした。

アルギュロスはリワンに抱えられている。

魔物とは思えないくらいに大人しい。


「じゃあ、最初フェンまで転移魔法で行くのね」

「そこから馬車で3日くらいかかるらしいけど、地図があまり良くわからないから、フェンのギルドで聞いた方がいいな」

「いつ出発するんですか~?」

「最近涼しくなってきたし、本格的に寒くなる前に行きたいな」

「明日にしましょ~」

「・・・・・却下だ」

「む~」

「さすがに明日は無理ね、、、」

「2日くらい準備するか?」

「それくらいかな?」

「じゃあ、明日と明後日で準備だ」





俺とレイアとリワンで手分けして買い出しに出掛けた。

ヒトミはアルギュロスと家で留守番をしている。


旅の買い出しにはかなり慣れた。

食料がどれくらい必要かは、なんとなくわかる。

今回はアルギュロスのミルク分を増やせばいい。

肉は少し多めに買うからこのままでいいだろう。


買い出しが終わってギルドで2人と合流し、必要な物が買えたか確認して家に帰った。

家に入るとヒトミが何か作っていた。


「ヒトミお姉ちゃん、何を作ってるんですか~?」

「アルちゃんを抱っこする時に使う物よ」

「どうやって使うんですか~?」

「完成したら教えてあげるね」

「はい~」

「明日には出来上がると思うから」




3人がアルギュロスをこれでもかと可愛がっている。

俺は少し離れた所で、水魔法の練習をしながらその様子を眺めていた。


するとアルギュロスは3人の手をかいくぐり、こっちに向かって走ってきた。

ピョンっとジャンプして俺の足の上に飛び乗った。

ここはお気に入りの場所みたいだ。

そんなに構ってないのに、やけに懐かれている気がする。

頭を撫でてやると、俺の目を見て尻尾をブンブン振り出した。


「やけにあんたに懐いてるわね、、、」

「うらやましいです~」

「私の膝の上にも乗って下さい」

「何にもしてないんだけどな」


アルギュロスを抱き上げて、頬ずりをしてやると頬をペロペロ舐められた。

ちょっとザラザラしてて気持ちいい。


「「「あーーー!!」」」


突然3人が大声で叫びだした。

アルギュロスも驚いているじゃないか。


「私がやっても舐めてくれなかったのに、、、」

「私もです~」

「何か悔しいです、、、」


変な空気になってしまったので、アルギュロスをリワンに渡す。

みんな抱きかかえて頬ずりしているが、アルギュロスは誰の頬も舐めなかった。

何故か3人に睨まれる俺、、、

不味い流れになって来たので風呂に逃げた。





「今日、1頭馬を使うからな」

「わかったわ」

「今日はお休みなんです~」

「アルちゃんを可愛がる日にしました」


家を出て馬に乗り、町の外に出た。

今日は魔物避けの薬草を作る為の材料を取りに行くつもりだったが、アルギュロスが来てしまった。

たぶん使えないだろう、、、

虫避けの薬草にしておけばよかったが、薬草を作りたかったのではなく《錬金術スキル》を覚える事が目的だったから、まぁ良しとしよう。

外で寝る時はリワンの《気配感知スキル》に頼るしかない。


夕方まで久しぶりに狩りをした。

明日、リンガンブールに向けて出発する。


—————温泉ありますように、、、


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