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異世界ナラティブ  作者: SW
第四章
64/105

【10】—————さすがはエルフ


林道を抜けた所で馬を降り、かまどを作って魔物避けの薬草を放り込む。

そのまま馬を置いて、歩いて山に入って行った。


魔物が襲って来ても、レイアが魔法と弓で片っ端から片付けでしまう。

俺がやる事と言えば、レイアが倒した魔物の魔石やアイテムを拾い集める事だ。

矢も魔石と同じ所にあるから丁度いい。

俺も魔法を撃ってはいるがレイアと比べると威力が弱い。

—————さすがはエルフ


「やっぱりアイテムボックスが無いと大変だな」

「ええ、今度こそはアイテムボックスを買いますよ」

「そうか、、、」

「・・・・・信じていませんね?」

「そ、そんな事は無いぞ」

「また無駄遣いをすると思っていますね?」

「・・・・・はい」

「見ててください、今度こそ買います!今、その為に頑張っているのです!」


右手で握りこぶしを作りながら、凛々しい顔で遠くを見つめている。


—————見える、、、

3人で嬉々として買い物に出掛けて行く姿が見える、、、




川が見えてきたところで昼飯を食べる事にした。

川辺にかまどを作って火を起こす。


「少し魚を取ってきます」


レイアがそう言って川に向かって歩いて行った。

そのまま弓を構えて、川に撃ち込んでいる。

矢には紐が付けられていたようで、引き寄せた矢には魚が刺さっていた。


—————凄いな!


全部で4匹の魚を捕って帰って来た。 

見事な手際で内臓を取り除き、串を刺している。


「魚さばけるんだな」

「ええ、魚も動物も大丈夫ですよ」

「動物もいけるのか!?」

「はい、この辺では動物は見ませんが」

「野生の動物は俺もほとんど見た事が無い」

「エルフの森にはたくさん動物がいるので、解体出来ないと困るんです」


そういえばレイアは《解体スキル》を持っていたな。

魚は出来そうだが動物は無理だ、覚える気にもならない。


昼食後もひたすら狩りを続けた。

俺は午後からも魔石とアイテム拾いに精を出した。




家に帰るとヒトミとリワンが庭で火を起こしていた。

今日は庭で晩飯を食べるつもりらしい。

大きな鉄板が準備されている。


「じゃあ、夕飯にしましょう」

「ヒトミお姉ちゃん、今日は何を作るんですか~?」

「お好み焼きよ!」

「知らないです~」

「私が作るのを見ててね」

「わかりました」


鉄板に野菜を混ぜ合わせた生地を乗せて焼き始めた。

みんなも目の前のスペースで、同じように生地を焼いている。


「この上に好きな具を乗せて」

「お肉がいいです~」

「では私は魚介類を」


各々(おのおの)が好きな具材を乗せていく。

リワンはこれでもかと言わんばかりに肉を乗せ、下の生地が見えなくなってしまっている。

レイアはイカやエビを綺麗に並べている。

俺は全種類の具材を乗せる事にした。


「ここからが本番よ!」


ヒトミが小さな鉄板を2枚取り出し、生地の下に差し込んで、掛け声とともにクルッとひっくり返した。


「わ~、凄いです~」

「これは難しそうですね」


2人も同じようにひっくり返そうとしているが、肩に力が入り過ぎている。


「あ~、失敗してしまいました~」

「う~、私もです」


飛び散った具材を集めながら、割れてしまった生地を元の形に戻している。


「ひっくり返すっていうよりも、持ち上げて倒すって感じの方がやり易いかもな」

「その方がいいかもね」


そう言って生地の奥側を持ち上げ、自分の方にパタッと倒して見せた。


「上手です~」

「なるほど、それならやれそうです」


焼きあがったら醤油ベースのタレを塗り、マヨネーズをかけて完成。

醤油とマヨネーズの焦げる匂いがたまらない。

レイアとリワンは焼きたてのお好み焼きを、はふはふ言いながら食べている。


「美味しいです~」

「匂いもいいですね」

「でしょ!」


2人はお好み焼きに満足したようだ。





次の日、フォルミナさんの話を聞くためにレイアとギルドに向かった。

奥の部屋に案内され、クエストの説明を聞く。


「依頼内容は前回と同じです」

「わかりました、場所はどこですか?」

「今回はこの辺りになります」

「では今回も馬で行きましょう」

「わかりました」


集合場所と時間を確認してフォルミナさんと別れ、その後は昨日と同じようにレイアと狩りに出掛けた。




夕方、家に帰るとリワンが駆け寄って来た。


「ご主人様~、終わりました~」

「ん?乗馬の練習か?」

「そうです~」

「もう終わったのか?」

「はい~」


2日で終わるとは、、、

でも1日中やってたならそんなもんか?


「明日は何するんですか~?」

「レイアと一緒に指定クエストだ」

「私も行きたいです~」

「じゃあ私も!」

「みんなで行くのか?クエストって言っても、ちょっとした遠出みたいな感じだぞ」

「じゃあ、お弁当作ってみんなで行こうよ」

「わかったよ」

「わ~い!」


お弁当って、、、

遠足と勘違いしてるんじゃないのか?


3人は夕食後すぐに台所に行って、明日の弁当作りを始めた。

俺は風呂に入り、そのまま横になった。


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