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異世界ナラティブ  作者: SW
第四章
58/105

【04】なるほど、、、そういう事か!


「次の旅行先が決まったわよ」

「・・・・・」

「ん?どうしたの?」

「俺も行くのか?」

「当り前じゃない!」


行きたいなら3人で行って来いと言いたかったが、グッとその言葉を飲み込んだ。

絶対ギャーギャー言われるに違いない。

俺は学習する生き物なのだ。


「どこに行くんだ?」

「リンガンブールって所よ」

「何でここにしたんだ?」

「何でって、あんたのメモを見て決めたの」

「何て書いてあったっけ?」


メモを取り出して確認してみると、火山で有名な所らしい。

—————火山

なるほど、、、そういう事か!


「—————温泉か!?」

「温泉があるかわからないけど、無くても暖かいってだけで十分よ」

「温泉って何ですか~?」

「自然に出来た風呂みたいなもんだ」

「それは楽しみですね」

「後3ヶ月くらいで寒くなって来るわよ」

「じゃあ、寒くなる少し前に行くか?」

「やった~!」




夕食後、水魔法を練習している俺の横でレイアとリワンが話をしていた。


「リワンさん、明日から私と一緒にクエストをやりませんか?」

「いいですよ~」

「私もアイテムボックスが欲しいんです!」

「とても便利ですよ~」

「次の旅行までにお金を貯めます!」

「頑張って下さい~」

「リンガンブールでもたくさん買い物したいです!」

「私もです~」

「頑張りましょう!」

「はい~!」

「レイア、私は誘ってくれないの?」

「ヒトミさんがいると楽なのですが、私達の修行にならないので、、、」

「ヒトミお姉ちゃんは強すぎるんです~」

「・・・・・クッ、自分の強さが憎い!」


頑張るのはいいが無茶はしないでくれよ、、、


「無茶するなよ」

「もちろんです」

「大丈夫ですよ~」

「レイア、馬を使ってもいいからな」

「はい、ありがとうございます」


次の日からレイアとリワンは一緒に出掛けるようになった。

昼飯も現地で食べているようだ、気合の入れようが半端ない。

2人に負けじと俺も魔物を狩り続けた。





今日は休みの日だ。

レイアとリワンは朝からクエストに行ってしまっている。

朝はゴロゴロのんびり過ごした。

ヒトミと昼飯を食べていたのだが、ずっとこっちをチラチラ見ながらモジモジしている。

言いたい事があるけど、言いにくいってとこか。


「ヒトミ、何か言いたい事でもあるのか?」

「・・・・・今度私と一緒に指定クエスト行かない?」

「どんなクエストだ?」

「・・・・・盗賊退治」

「おいおい、魔物は殺せるけど人はちょっとなぁ、、、」

「殺さないわよ!」

「じゃあ、どうするんだ?」

「捕まえるだけだから大人しくさせればいいのよ。その後はギルドの人達が馬車で運ぶんだって」

「それでもなぁ、、、」

「—————お願い!どうしてもって頼まれたの!」

「う~ん、、、」

「報酬も凄くいいから!」

「・・・・・はぁ、わかったよ」

「やった!ありがと!」

「でもそんなクエストあったっけ?」

「昨日ギルドでお願いされたの」

「ギルドから頼まれたのか?有名人なんだな」

「こんな小さな町にずっといる冒険者って少ないからじゃないの?」





次の日、ヒトミと一緒にギルドでクエストの説明を受けた。

盗賊による商隊や旅行者への被害が大きくなっているので、討伐する事になったらしい。

盗賊は10人程の人数で、アジトの場所もすでに判明しているとの事だ。

レイアとリワンが2人でクエストに行っている事を考えると、引き受けたのは良かったのかもしれない。

基本の報酬とは別に、捕らえた盗賊の数によって報酬がプラスされるようだ。


実行は明日早朝。

当日は俺達2人とギルドから職員が10人派遣され、計12人で向かう。

馬車に乗せて行ってくれるらしいが、そうすると帰りは盗賊と一緒の馬車に乗る事になりそうなので、俺達は馬で行く事にした。

ヒトミと2人なら1頭に乗れるだろう。

話が終わった後、武器屋で木刀を数本購入しておいた。





次の日の早朝、家を出て馬を取りに向かった。

ヒトミは馬に乗れないから、俺と一緒に乗って行くしかない。


「前と後ろ、どっちに乗る?」

「・・・・・後ろにする」


ヒトミを後ろに乗せ、ギルドに向かった。

後ろから抱きつかれているが、装備が邪魔で何も気持ち良くない、、、

少しいい匂いがする程度だ。


ギルド前には2台の馬車が待機していた。

1台は空で、もう1台に10人の職員が乗り込んでいる。

全員15くらいのレベルだ。


「今日はよろしくお願いします。では行きましょう」


彼らのPTに加わり、馬車の後ろに付いてアジトまで向かった。

途中で馬車を降りて、そこからは歩いて山に入る。

少し早い昼食を食べて、森の中を進んで行くと大きな洞窟が見えてきた。

入口前には柵が築かれていて、2人の見張りが立っている。


「じゃあ、俺とヒトミで見張りを倒します」


ヒトミと2人で木の陰から様子を見る。

見張りの2人はヘラヘラ笑いながら(しゃべ)っていた。


「油断しまくりだな」

「ほんと、お約束ね」

「ヒトミは魔法でいくのか?」

「うん」

「じゃあ、俺が向こうから斬り込んで注意を引き付ける」

「わかった」


ヒトミの反対側に回り、そこから見張りに向かって飛び出した。

それに気付いた盗賊が慌てて剣を抜き、俺の方に振り向いた。

そこにヒトミの水魔法が放たれる。


見張りの2人は水魔法に弾き飛ばされて、岩の壁に叩きつけられている。

2発ぐらい当たった所で、勝負ありって感じだったが、そこから数発追い打ちを掛けている。

えげつない、、、

1人は足が変な方向に曲がっている。


気絶している盗賊達を、まとめてロープで縛り上げた。

後はギルドの人達に任せよう。

ヒトミと合流し、洞窟の入り口に向かった。


「じゃあ、行くか?」

「うん」


薄暗い洞窟の中に足を踏み入れた。


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