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異世界ナラティブ  作者: SW
第四章
56/105

【SS】レイア


今、私はメラゾニアで魔法の勉強をしています。

わざわざここまで来なくても、他のエルフに教わればいいのですが、一度森の外に出てみたかったのです。

好奇心旺盛なお年頃なんです。


昨日まではお話を聞くだけの内容でしたが、今日は朝から町の外に出て訓練です。

訓練と言っても道中に出る魔物を倒しながら、ある場所まで行って帰って来るというだけの事。


ある場所というのは転移ゲート。

この中に転移魔法を勉強している人がいるのでしょう。

その人達を転移ゲートまで連れて行く護衛クエストですね。




「こんにちは」


私はその声の方に視線を向けました。

黒髪の綺麗な人族の女の子が私に微笑んでいます。


「私はヒトミって言うの、あなたは?」

「レイアと言います」

「レイアね、よろしく」

「はい、よろしくお願いします」


物怖じしない明るい子ですね。

それにきっとまだ若いはず、20歳にはなっていないでしょう。


「さっきの魔法凄かったわ、さすがエルフね」

「あ、ありがとうございます」

「レイアは何の魔法を勉強しに来たの?」

「土魔法の強化です」

「そうなんだ」


さっきの戦闘中、彼女は攻撃していませんでした。

そうすると彼女は、回復魔法か補助魔法の勉強に来たのでしょうか?


「ヒトミさんは何の魔法を勉強しているのですか?」

「ん?転移魔法よ」

「—————えっ!?」


彼女が転移魔法を!?

転移魔法はそんなに珍しくないけれど、熟練した魔法使いしか使えないと言われる転移魔法を、こんな若い人族の子が!?


「それは大変ですね、、、」

「そう?たぶん大丈夫よ」


・・・・・恐ろしい少女です。


転移ゲートに到着すると、数人の人達が小さな塔の中に入って行きました。

きっと転移魔法を勉強している人達なのでしょう。

ヒトミさんもその中にいました。

外で待機している私達には、塔の中で何が行われているかは見えません。




講義の最終日、ヒトミさんから夕食を一緒に食べようと誘われました。

一緒に暮らしている人達も来るそうです。

とても楽しみです。


その夕食の席には男性がいました。

いきなり見つめられてしまいました。

見られる事には慣れているはずなのに、少しドキドキしてしまいました。

ヒトミさんと同じくらいの年頃でしょうか?

優しそうな方です。

隣にいる犬人族の奴隷の女の子に、とても慕われています。

最初はヒトミさんの旦那さんか恋人なのかと思いましたが違うようです。





次の日、ギルドでヒトミさんに会いました。

彼女もクエストを探しているのでしょうか?

転移魔法を覚えるには、お金がたくさん必要だと聞いた事があります。


ヒトミさんからクエストに誘われました。

買い物の為に少しお金が欲しいと、私が言ったからでしょうか?

4人PTなら大丈夫だと言っています。

なるほど、、、

あのクエストですね。

報酬が良かったので私も気になっていたんです。


アイテムボックスとはやはり便利な物です。

みなさん持っているのが本当に羨ましいです。

私も無駄遣いを減らさないといけません、、、


気の合った人達と旅をするのは、こんなに楽しいものなのですね。

魔物はたくさんいましたが、苦労した感じはしません。

ヒトミさんが大暴れしていますから、、、


ビックリです!

魔族が出ました!

噂通りとても強そうですが、そんな魔族もヒトミさんの魔法で倒されてしまいました。

本当に転移魔法も使えています。


・・・・・やはり恐ろしい少女です。




お金をたくさん頂きました!

これは買い物に行くしかありません!

その買い物の帰りに、家に遊びに来ないかとヒトミさんに誘われました。

ええ、もちろん行きます!


旅の途中で彼と少し話をしました。

若いのに、とても落ち着いた感じの人です。

冗談で一緒にお風呂に入ろうと誘ったら、顔を赤くしていました。

こういう所は年相応ですね。


—————ん?

ヒトミさんとリワンさんに睨まれた気がします、、、





ヴァルアに着きました。

とても落ち着く、静かな町です。


次の日、町を案内してもらいました。

3人で一緒にお昼ご飯を食べに行きました。

家に帰ってみんなでお話をしていたら、急にヒトミさんが考え込んでしまいました。

どうやら昨日の夜、彼とリワンさんが話していた内容が気になったようです。

しばらく考え込んだ後、私にお願いをしてきました。


「もしあいつが1人で旅行に行くって言い出したらレイアが止めて!」

「私がですか?」

「みんなで旅行に行きたいでしょ?」

「それはそうなんですが、、、」

「大丈夫、どうすればいいか教えるから!」


ヒトミさんから説得方法を教えてもらいましたが、私に出来るのでしょうか?

少し不安です、、、


「ヒトミさんがやった方がいいのでは?」

「わ、私じゃダメよ!」


—————照れていますね?

顔が赤いですよ?




「え~と、1人旅の予定なんだけど、、、」


予想通りの展開です!

やはりヒトミさんは彼をよく理解しています。


「—————レイア!」

「はぁ、やってみます、、、」


自信はありませんが、とにかく練習通りやってみましょう。


「一緒に行きたい、、、」

「—————!?」


精一杯頑張りましたが、彼は考えを変えません。

手強いです!


「ねぇ、お願い、、、一緒に、、、」

「・・・・・わかった、一緒に行こう」


やりました!

2つ目のセリフで説得する事が出来ました。

3つ目のセリフはあまりにも恥ずかしかったので、ここで終わって良かったです。

このセリフは次の機会に取っておきましょう。




その後で女子会というのを行いました。

女性だけでお菓子を食べながら、楽しくお話しする集まりです。

そこで次の旅行のお話をしました。

とても楽しかったです!


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