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異世界ナラティブ  作者: SW
第三章
46/105

【12】・・・なん・・・だと・・・?


「レイア、おはよう」

「みなさん、おはようございます」


次の日、レイアを迎えに宿に行くと、すでに外で待っていた。


「よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくな」


レイアをPTに加え、俺達は馬車を取りに向かった。


「レイアはどうやってメラゾニアまで来たんだ?」

「馬に乗って商隊の方達と一緒に来ました」

「俺達の馬車があるし、その馬はここに置いて行くか?」

「いいえ、乗って行きます。馬に乗って馬車の護衛に付きます」

「わかった。じゃあ、俺と交代しながら行こう」

「わかりました、ありがとうございます」

「レイアには優しいじゃない?」

「別に変わらないだろ?」

「レイア、こいつは悪い男だから気を付けなさいよ!」

「そうですか?とても優しい方だと思います」

「騙されちゃダメ!」

「リワンさんは奴隷なのに、とても大事にされているように見えますが、、、」

「後で詳しく教えてあげるわ!」


何を言う気なんだ?

ナニか?ナニの事だな!

武器を買ってあげたり、高い飯を食わせてやったりして、もう償いは終わっているはずなのに、、、


預けてあった馬車と馬を返してもらって、最初は俺が馬車を操縦し、レイアが馬に乗って出発した。

町を出てしばらく進むとヒトミが丘の上に建っている小さな塔を指さした。

その塔は石の壁で丸く囲まれいる。


「あそこが転移ゲートよ」

「転移魔法のか?」

「そうよ、あの塔の中に赤い石柱があるの。その石柱に魔力を流せば魔法でそこに飛んでいけるようになるのよ」

「と言う事は、現時点でヒトミが転移できるのはあそこだけなのか?」

「そうね」


ヒトミの説明を聞きながらその施設を後にする。

途中、レベル15前後の人の頭くらいの大きさの蜂や、人間サイズのカマキリの魔物と遭遇したが、ヒトミがこっちに近づく前に魔法で燃やしていた。

途中で昼食を食べ、お茶を飲みながら少し休憩する。


「みなさん、アイテムボックスをお持ちなのですか?」

「はい~、私もこの前買ってもらいました~」

「私も欲しいと思っているのですが、ついつい他の物にお金を使ってしまいます」

「あると本当に便利よ」

「ですよね。魔物を倒した後にアイテムとか魔石を拾い集めるのは面倒です」




午後からは、俺が馬に乗り、リワンが馬車を操縦している。

御者台に座った3人が楽しそうに話をしている。

時々、こっちをチラチラ見ながら小声で話をしているのが少し気になる、、、

今までと違って、やけに敵と遭遇する機会が多いが、3人の魔法で危なげなく魔物を倒していった。


「この先からは魔物が群れで襲ってくるみたいだから、今日はここで1泊するぞ」

「は~い」


まだ明るかったが、ここで馬車を止めてキャンプの準備を始めた。

夕食を食べ、馬車の中でゆっくり体を休める。

陽が落ち、辺りはすっかり暗くなった。

ヒトミが光魔法で明かりを付け、俺は地図を広げながら明日の説明する。


「明日はリワンが馬車を操縦してくれ」

「はい~、わかりました~」

「で、レイアが馬だ」

「はい」

「敵が群れで来たら俺とレイアが魔法で攻撃する。それで倒せなかった魔物は俺とヒトミで倒す」

「周りに木とかが無かったら私も魔法で攻撃するわ」

「ああ」

「私はどうしますか~?」

「リワンは馬車を守ってくれ」

「はい~」


魔物避けと虫除けの薬草を使って寝る準備を始める。


「本当にこのまま寝ても大丈夫なんでしょうか?」

「魔物や動物が近づいて来たら、リワンが気が付くから大丈夫だぞ」

「はい~、お任せ下さい~」

「リワンさんは凄いですね」

「えへへ~、褒められました~」


明かりを消し、馬車の前方からレイア・ヒトミ・リワン・俺の並びで布団に入る。


「レイア、もし変な事されそうになったら大声を出しなさいよ!」

「大丈夫ですよ」

「甘いわよ!さっき教えたでしょ!」

「・・・・・あの話は本当なんでしょうか?」

「リワンちゃん本当よね?」

「はい~、本当ですよ~」

「・・・・・そうですか」


たった1度の夜遊びで、こんな肩身の狭い思いをしなければならないとは、、、

レイアの俺に対するイメージが悪くなっていく気がする。





「おはよう、レイアは早起きだな」

「おはようございます。少し緊張したのかいつもより少し早く目が覚めてしまったみたいです」


翌朝、目を覚まし馬車の外に出ると、レイアが着替えをしていた。

ショートパンツのような青い下着の上に、革のズボンを履こうとしている。

綺麗な銀髪とすらりと伸びた白い脚が、朝日を浴びて輝いていた。

俺が目を細めながらニコニコしていると、いつの間にか後ろにいたヒトミが尻を蹴り上げてきた。


「あっ、ごめんなさい。足が滑ったわ」

「・・・・・普通は足が滑ったら転ぶんだけどな」


ヒトミはレイアの近くで朝食の準備を始めた。

着替え終わったレイアも準備を手伝っている。


「レイアは凄い美人なんだから、もうちょっと警戒しなさい!」

「そうでしょうか?」

「そうなのよ!」

「私の住む森のエルフ達はみんなこんな感じなのですが?」

「本当?」

「ええ、体の大きさや、髪や目の色などの違いはありますが、顔の造りはみんなよく似ています」


・・・なん・・・だと・・・?


エルフの森にはレイアみたいな美人がゴロゴロいるって事か!?

俺は頭の中の旅の目標に、エルフの森を追加した。


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