【幕間】ヒトミ先生
今日からリワンちゃんと一緒に町の外で戦闘訓練。
最初にリワンちゃんを見た時は本当に驚いたわ。
こんな可愛い子は初めて見た。
私も結構可愛いと思うけど、愛くるしさでは勝てないかな?
やっぱり犬耳とふわふわの尻尾は大正義ね。
その後で首のチョーカーを見てもっと驚いたわ。
この黒いチョーカーは奴隷の証。
あいつがお土産に奴隷を買ってきたって思ったから、つい斬りかかっちゃったわ。
でも冷静に考えたらそんな奴じゃないもんね。
ちょっとエッチだけど奴隷を買うような人じゃない。
「ヒトミお姉ちゃん、あのウサギさんですか~?」
「ええ、そうよ」
—————ヒトミお姉ちゃん
た、たまらないわね、、、
こんな呼ばれ方されたら、ますます可愛く見えちゃう。
一生懸命教えてあげよう!
う~ん、強いわね、、、
魔物の攻撃が当たるとは思えない。
ギリギリで避けているように見えるけど、あれはたぶん攻撃を見切ってるのね。
その上、容赦なく殴ってるわ。
怖がるかなって思ってたけど、大丈夫そうね。
そうだ!
これを教えてあげよう!
殴る時の決め台詞!
可愛さが更にアップするはずよ!
魔物を見つけるのも得意みたい。
すぐに魔物の方に向かって行って、石を投げてこっちにおびき寄せてる。
鼻をクンクン鳴らしてるから匂いで探してるのかな?
ウサギや虫の魔物はボコボコにしてるけど、鳥の魔物は苦手みたい。
他の魔物の時より大きく避けているように見える。
飛んでるから戦いにくいのかな?
「ヒトミお姉ちゃん、回復魔法を教えて下さい~」
「いいけど、あんまり得意じゃないよ?」
「はい~、大丈夫です~」
「炎魔法にしない?こっちなら得意なんだけど」
「ご主人様がケガした時に私が治してあげたいんです~」
—————尽くすタイプなのね
奴隷の開放を断ったって言ってたし。
でもそれはあいつがご主人様だからなのかな?
私だって女子力はあるわよ。
お料理も裁縫も得意よ!
まぁ、相手はいないんだけどね、、、
魔法はあまり得意じゃないみたい。
慌てずにゆっくりやれば上手く出来そうなんだけどな、、、
でも落ち着いて大人しくしているリワンちゃんよりも、元気なリワンちゃんの方が断然可愛いわよね。
・・・・・このアドバイスは封印しておこう。
明日からもリワンちゃんと一緒に出掛けよう。
いろいろ教えてあげないといけないし、魔物にやられないか心配だし。
本当は私が楽しいだけなんだけどね。
う~ん、あいつが来てから毎日が充実してる気がする、、、