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異世界ナラティブ  作者: SW
第二章
29/105

【17】ちょっと元気づけてやるか?


楽しかったキャンプも終わり、今日からまた冒険者としての生活に戻った。

取り敢えずの目的はメラゾニアに行ってリワンのアイテムボックスを作る事だ。


馬車の操縦訓練を終わらせて家で昼食を食べながら、みんなと話し合いをして準備が出来次第メラゾニアに向かう事になった。

ヒトミとリワンに食料関係の準備を任せ、俺はそれ以外の準備をする事にした。


クエストをこなしながら、旅行の準備を進める。

馬の世話をする為の道具や飼い葉を購入し、馬車の内装も整える。

雨と日差し対策で御者台には屋根を取り付けてもらった。

御者台にマットを、馬車の中にはカーペット替わりの厚い布を敷いた。

特に御者台には力を入れた。

もちろん馬車を操縦する俺自身の為だ。

テーブルや椅子、薪などの日用品とキャンプの時に教えてもらった虫除けと魔物避けの薬草も購入した。


5日かけてやっとすべての準備が終わった。

何か忘れ物があるかもしれないが、その失敗は次の旅行に生かせればいいだろう。




家に帰って夕食を食べながら2人に報告する。


「やっとこっちの準備が終わった、そっちはどうだ?」

「昨日終わったわよ」

「やった~、明日出発しましょ~」

「待て待て待て!明日、忘れ物が無いかお互いに確認してからだ」

「じゃあ、出発は明後日にする?」

「ああ、そうしよう」

「う~、早く旅行がしたかったです~」

「明後日なんてすぐに来るぞ」

「・・・・・わかりました~」


リワンは文字通り肩を落とし、あからさまに落ち込んでいる。

たった1日延びるだけでこの有り様とは、、、

ちょっと元気づけてやるか?


「リワン、冒険者ランクってどうなってるんだ?もうEランクになれるんじゃないか?」

「いっぱいクエストやってたから大丈夫だと思うけど、、、リワンちゃん、まだ上がらなかったの?」

「上げるの忘れてました~。明日行ってきます~」

「Eランクになったら約束してたプレゼントを渡すからな」

「はい~!」

「プレゼント?私には無いの?」

「・・・・・無い」

「リワンちゃんのご主人様はほんと薄情な人ね」

「・・・・・ぐっ、、、」

「ヒトミお姉ちゃんには私がプレゼントします~」

「えっ、ほんと?!」

「はい~、いつも仲良くしてくれるお礼です~」

「リ、リワンちゃん!!!」


ヒトミはリワンに抱きついてニコニコしながら犬耳と尻尾をモフモフしている。

リワンも慣れたもので、頭をヒトミに向けて耳を触りやすいようにしている。

まるでツッコミに頭を向けるボケみたいだ。

一頻(ひとしき)りモフモフを楽しんだヒトミは、今度は頭を撫でまわしている。


「—————で、ヒトミは俺にプレゼントをくれるんだよな?」

「え?何で?」

「俺はリワンに、リワンはヒトミに、ならヒトミは俺に渡すって事だろ?」

「・・・・・無いわよ」

「リワンのお姉ちゃんはほんと薄情な人だな」

「・・・・・あんたって人は!」


3人でギャーギャー騒いでいる間に夜も更け、一段落ついた所で布団に入った。





—————次の日

朝食を食べながらみんなで話し合い、旅行に足りない物をまとめる。

手分けして足りない分を買いに出掛けた。

俺はリワンと一緒にギルドに行って詳しい地図を貰い、リワンはランクアップの手続きを行っていた。


「ご主人様~、Eランクになりました~」


リワンが俺の腕に抱き付いてニコニコしながら見上げている。


「やったなリワン、おめでとう!」

「はい~、ご主人様のお陰です~」

「いや、リワンが頑張ったからだぞ」

「えへへ~、これからもっと頑張ります~」

「じゃあ、買い出しに行くか?」

「はい~」

「リワンは何を買うか覚えてるか?」

「覚えてますよ~、雑貨屋さんに行きます~」

「そうか、俺は馬車を見に行くからまた後でな」

「いってらっしゃい~」


ギルドを出てリワンと別れ、馬車と馬を預けている所に向かい明日出発する事を伝えた。

荷物はアイテムボックスに入れて行くから特にする事は無い。

馬の状態を確認して、買い出しに向かう。


最初に服屋に行って先日依頼したリワンのチャイナドレスを購入した。

注文通りの素晴らしい出来だった。

店員さんに丁寧にお礼をして店を後にする。

また何か思いついたら作って貰おう。


買い物を済ませた後で酒屋に行って、酒を少し買い足して家に帰った。

俺が一番早く買い出しから帰って来たみたいだ。

昼食の準備をしながら2人の帰りを待った。


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