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異世界ナラティブ  作者: SW
第二章
28/105

【16】考えるだけでも恐ろしい、、、


眩しい朝日と少しうるさいセミの鳴き声で目を覚ます。

隣にいつもの幸せな柔らかい感触が無い。

寝袋を出てテントの中を覗いてみると2人はまだ眠っていた。

リワンが人に抱きついて寝るのはいつもの事だが、ヒトミもリワンに抱きついている。

美少女2人が抱き合って眠っている姿に、朝からいいものが見れたと手を合わせておく。

起こさずにこのまま寝かせておこう。


昨日の夜は魔物も出なかったし、体も虫に刺されていない。

魔物避けと虫避けの薬草は効果があるみたいだ。

残った肉と野菜を使って朝食のスープを作る。2人が起きてきたら温め直そう。

服を脱いで少し冷たい川に入り、軽く泳いで寝汗を流す。

最初は冷たかったが慣れると気持ちがいい。




気温が上がり、虫の鳴き声も大きくなってきた頃、2人そろってテントから出て来た。


「よく寝てたな」

「ご主人様~、おはようございます~」

「・・・う~ん、おはよう」

「冷たい川の水で顔を洗ったら目が覚めるぞ」

「洗ってきます~」


リワンはタオル片手にフラフラ川に歩いて行った。

ヒトミもリワンの後ろを歩いていたが、途中で立ち止まって振り向いた。


「あんたが昨日テントまで運んでくれたの?」

「ああ、起こしても起きなかったからな」

「・・・・・・・そっか、ありがと」


ヒトミが少し顔を赤くしてうつむきながら、小さな声で礼を言ってきた。


「『ツン』しか持ってないと思ってたけど、ちゃんと『デレ』も持ってたんだな」

「くっ、、、うるさい!」


ニヤニヤしながら少しからかってやると、ヒトミが足元の石を拾って投げつけてきた。

凄まじい勢いで飛んで来た石は俺の頬をかすめ、後ろの大きな木に当たり爆音を上げている。


・・・・・何も反応出来なかった


レベル68の実力の片鱗を垣間見た気がする。

ヒトミはフンッと前を向いて、肩を怒らせながら川に向かって歩いて行った。


昨日テントの中で寝なかったのは正解だったようだ。

ちょっとからかっただけでこれだ。

何かの間違いでヒトミの胸や尻を触ろうものなら—————

考えるだけでも恐ろしい、、、




顔を洗って帰って来た2人に温め直した朝食を渡す。

残った肉と野菜を使ったスープとパンといった昨日とは正反対の軽い食事だ。


「もう材料が無いから昼前に帰るぞ」

「は~い、それまで泳いでてもいいですか~?」

「ああ、帰る時に呼ぶからそれまで遊んでていいぞ」


あっと言う間に朝食を食べ終えたリワンは、着替えるとすぐに川に入ってバシャバシャ遊んでいる。


「ヒトミ、昼飯はどうする?」

「・・・・・」

「おい」

「・・・・・何よ?」

「昼飯はどうする?帰ってから家で食べるか?それとも帰る途中にどこかで食べるか?」

「・・・・・どっかで食べてから帰る。もちろんあんたの(おご)りよ!」

「・・・はい、わかりました」


まだご機嫌斜めらしい、、、

『デレ』は川で洗い流してしまった様だ。

ヒトミが食べている間にテントを片付け、俺も川に入った。


「ご主人様~、楽しかったですね~」

「たまにはこうやって遊ぶのもいいもんだな」

「はい~、また遊びに連れて来て下さい~」


しばらく川で遊んでから、かまどの火を消して帰り支度を始めた。

服を着替えて、昨日来た道を歩いて帰る。

楽しい時間を過ごす事ができた。

いい思い出になりそうだ。




町に着いてすぐの店で昼食を食べる。

その後、家に帰ってみんなで床に寝転がった。


「遊び疲れた、、、」

「いっぱい遊べてすごく楽しかったです~」

「私、ちょっと食べ過ぎたかも、、、」


今日は何もする気が起きなかったので、このままゴロゴロくつろいだ。

気持ちを切り替え、明日からまたボチボチやっていこう。


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