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異世界ナラティブ  作者: SW
第二章
21/105

【09】タコ殴りだ!


「あ~、ご主人様です~」


リワンが俺に向かって手と尻尾をブンブン振っている。


「リワン、頑張ってるか?」

「今日もいっぱい倒しました~」


そのままリワンの様子を見守る。

拳法着みたいな防具を身に着け、木の靴を履いている。

リワンは避けるのが上手だ、かなり余裕がある。

避けながら蹴り、急接近して殴る。ボッコボコにしている。

タコ殴りだ!


「いつもあんな一方的に殴ってんのか?」

「ええ、いつもあんな感じよ。あんたより強いんじゃない?」


数体魔物を倒した後に、アイテムや魔石を拾い集めている。

早めにアイテムボックスを買ってあげた方が良さそうだ。

一段落ついたのか、走ってこっちに帰って来た。


「ご主人様~、見ててくれましたか~?」

「ああ、見てたよ。リワンは強いな」

「えへへ~、ありがとうございます~」


買ってきた巾着をリワンに渡し、お茶を飲みながら休憩をする。


「まだ続けるのか?」

「はい~、もう少し倒したら帰ります~」

「俺はちょっと寄る所があるから先に帰るな」




ヴァルアに戻り、服屋に向かう。

リワンに装備をプレゼントする為だ。


「すいません、自分が考えた服を作ってもらう事はできますか?」

「はい、どんな服なのか詳しく教えていただければお作りする事は可能です」

「わかりました、後でまた来ます」


家に帰り、チャイナドレスの絵を紙に書く。

拳で闘う女性といえばやっぱこれでしょ。

服を作ってやったらリワンは喜ぶだろう。

いや、嬉しいのは俺か?


色は定番の赤、黄色で花の模様を入れて、少し深めのスリットにしてっと、、、

よしっ、なかなか上手く描けた。

う~ん、靴はどうしようか?

ヒールで戦うのは大変そうだし、今の靴のままで仕方ないな。

描いた絵をアイテムボックスに入れ、昼食の準備をする。

たまには俺が作ろう、この前ルザーラで買った醤油みたいな味の調味料も試してみたい。


「ご主人様~、ただいま帰りました~」

「あれ?あんたが昼食作ってくれてるんだ」

「ああ、たまにはいいだろ?」

「そうね」

「お手伝いします~」

「手伝いはいいから先に風呂に入ってこい」

「ご主人様も一緒に入りましょ~」

「ダメよ!」

「俺は夜に体を洗うから、また今度な」

「はい~」

「今度なんて無いわよ!」


2人が風呂に入っている間に昼食を作り、テーブルに並べる。

ルザーラで買ってきた調味料で肉と野菜を炒めただけの簡単な料理だ。


「ん?これお醤油?」

「魚醤じゃないのか?ルザーラは魚の町だったし」

「懐かしい味ね」

「ルザーラでは普通にあったのにこっちにはないのか?」

「ここのは美味しくないわ」

「1個台所に置いておくよ」

「ええ、ありがとう」

「リワン、昼から買い物にいくから一緒に来てくれ」

「はい~」

「魔法の練習はその後でな」




昼食後、リワンを連れて服屋に行った。


「すいません、この子に服を作ってもらいたいのですが?」

「どのような服にいたしましょうか?」

「防具に使われている丈夫な素材で、こんな感じの服をお願いします」


店員さんに絵を渡し、作ってもらう服の説明をする。


「はい、これなら大丈夫です。では寸法を測りますのでこちらにお願いします」

「リワン、行ってこい」

「は、はい~」


別の店員さんに連れられてリワンは奥の部屋に入って行った。


「どれくらいで出来上がりますか?」

「1週間くらいかと」

「わかりました、1週間後に来ます。よろしくお願いします」


寸法を終えたリワンと一緒に家に帰る。


「どんな服なんですか~?」

「リワンがEランクになったらプレゼントするからそれまで内緒だ」

「頑張ります~」


両手で握り拳を作って気合を入れている。

頑張りすぎて1週間も経たずにEランクになってしまわないだろうか?服が間に合わなくなるぞ。




家に着くとリワンは回復魔法の練習を始めた。

俺は回復魔法は使えない。前に試してみたが上手くいかなかった。

どうやって怪我を治すかイメージできない。


明日はギルドにアイテムボックスを作っている町を聞きに行こう。

リワンの練習を眺めながら、明日の予定を考えた。


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