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異世界ナラティブ  作者: SW
第二章
14/105

【03】・・・・・獣人か?


2日連続の清々(すがすが)しい朝だ。

こんなに気分がいいのはこの世界に来て初めてだ。

今日はギルドに行こう。こっちのクエストにも興味がある。


宿で朝食を食べて、ギルドに向かう。

クエストのボードを見るが知らない魔物の名前が多い。


「すいません、この魔物がどのあたりにいるか教えてもらう事はできますか?」

「はい、大まかな生息範囲はあちらの地図に書かれています」


受付のお姉さんに教えてもらった場所で、地図を確認してクエストと見比べる。

せっかくだし見た事のない魔物にしよう。

いくつかメモを取り、馬に乗って目的の場所に向かった。


門から外に出て、周りの景色を楽しみながら、海沿いの道を進む。

こっちの道でもいくつかの商隊に出会った。

この先にも町があるのだろう。帰ったら調べてみよう。


途中で広い道から外れ、脇道を通って山に入って行く。

見慣れたウサギや狼の魔物を倒しながら、獣道の様なあまり舗装されてない道を進んで行く。

目的の場所で馬を降りて木に繋いで様子を見る。

周りに何体か魔物が見える。あまり馬から離れたくないし、先に近くの魔物から倒していこう。




俺様絶好調!


今日も俺は冴えている、体が軽い。いろいろ()め込んでいるものがあったのだろう。

その全てを昨日の夜に吐き出し、きっちり睡眠も取った。心も体も充実している。

所構わず魔物を狩りつくしてしまい、予定よりも早くクエストを完了してしまった。


町に戻る途中、時間に余裕があったので海を見に行った。

馬を降りて、歩いて岩場に向かった。そこで腰に手を当てながら、海を眺める。

綺麗な海だ、磯釣りにもよさそうな場所だ。

岩に座って波の音に耳を傾けながら、今夜突撃する店の事を考えていた。




—————ドーーーン!!


急に大きな爆発音が聞こえた。反射的に音が聞こえてきた方に目を向ける。


「うおっ!」


1台の馬車が魔物に襲われている。俺は立ち上がって、全速力で走って魔物に近づく。

プテラノドンによく似た羽のある魔物だ。


【 アズダルコ Lv.19 魔物 】【 火炎攻撃 爪攻撃 】


今まで見てきた魔物の中では一番レベルが高い———

馬車は破壊され、2本の脚で馬をつかみ空中から所構わず炎を吐き出して暴れ回っている。


—————まずはこっちに注意を向けさせないとな、、、


まだ距離はあったがアズダルコに向けて、炎の球を数発撃ち込む。

こちらに気が付いたアズダルコが空から急接近し、口から炎を吐き出した。


「あちちちっ!!!」


たいしたスピードじゃ無いから避けるのは簡単だが、もう少し距離を取らないと熱い!


=《炎耐性スキル》を獲得しました=


当たらなくても覚えれるのか、、、


しかし、飛んでる敵はやっかいだな、今の俺には魔法でしか攻撃できない。

飛び道具が必要だな、それか空を飛べるようにならないと。

もし爪で攻撃してきたら斬り捨ててやる!

まぁ、倒せなくても諦めて帰ってくれればいいや。


炎を避けながら数発魔法を撃ち込む。


『グギャーーーーッ!』


結構効いてるみたいだ。大きな叫び声を出しながら炎を吐き散らかしている。

炎が当たらない事に腹が立ったのか、爪を構えて急降下してきた。


—————待ってました!


爪の攻撃を避け、そのままジャンプして懐に潜り込み細い首を斬り飛ばす。

アズダルコは黒い霧となって消えていった、、、


もう少し苦戦するかと思ったけど、案外楽に勝てたな。


周りを警戒しながら破壊された馬車の方に向かう。

残念ながら生存者はいないようだ。

残骸と化した馬車を死体と一緒にアイテムボックスに放り込む。


埋めておくか、、、

埋葬する為、少し道から離れた場所に歩いて行く。


「・・・・・ん、何だ?」


草むらの中に何かが見える。慌てて近づくと人が倒れていた。

息はある、気を失っているだけみたいだ。

怪我をしていないか確かめるために頭のフードを取ってみる。

可愛い顔の女の子だ、茶色いセミロングの髪に動物の耳が付いている。

更に体の方を確認していくと尻尾もあった。


【 リワン 15歳 Lv.1 犬人族(奴隷) 】【 気配感知 】


・・・・・獣人か?


幸いにも大きなケガは無く、少し小さな傷があるくらいだ。

昨日店で見た奴隷達と同じ様な服を着て、両手を縄で縛られている。

両手を縛っている縄を斬り、魔法で作った水で傷を洗って傷薬を塗る。


馬車の残骸と遺体を埋葬し、女の子を抱き上げて馬のいる場所に戻る。


———気が付くまで寝かせておこう


道沿いにある大きな木の下にテントを張り、女の子を寝袋に入れて寝かせる。

しばらく待っても目を覚ます気配が無い。テントの外で火を起こし、夕食を食べる。

辺りもすっかり暗くなってしまった。曇っていて月明かりも無い。

周りには誰もいないし、また魔物が来るかもしれない。

今日は寝ずに見張りだ、夜遊びはまた今度にしよう。


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