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異世界ナラティブ  作者: SW
第五章
105/105

【19】我ながらいい考えだ!


4人に睨まれながら、ちょっぴり味の付いたご飯を口に運んだ。


こうなったらアルギュロスの分を取り上げてやろうか?

もしかしたら牛丼は嫌いかもしれない。

何の根拠もないが、、、


テーブルの下を見てみると、アルギュロスも牛丼を美味そうにパクパク食べていた。

うん、諦めよう、、、


しかしこのままでは夕食の時もこんな悲惨な目に遭うかもしれない。

それだけは避けなければ!


笑顔でおかわりをしている両隣の奴隷共に冷たい視線を向けながら脳みそをフル回転させると、1つの名案が浮かんできた。


「レイア、今日の夕食にご両親を招待しよう」

「両親をですか?」

「そうだ。いろいろお世話になってるし、米を使った料理をご馳走したい」


いくらこいつらでもレイアの両親がいる席で、俺に白飯だけ食べさせるような事はしないだろう。

我ながらいい考えだ!


「そうね、みんなにもお米の素晴らしさを知ってもらうのもいいかもね」

「だろ?」

「わかりました、後で伝えて来ます」


—————勝った!

これで夕食は安泰だ!


「でも、何の料理にするの?」

「オムライスはどうだ?」

「うん、いいかも!」

「卵が食べられるなら大丈夫だろ?」

「大丈夫です。好き嫌いはありませんから」

「オムライスならスプーンで食べられるしな」


ラーニャはまだ箸を上手く使えないからな。

今もスプーンで食べてるし、、、


「オムライスだけだと何だから、他にも作ってくれ」

「スープとサラダと、、、」

「酒のつまみもだな」

「もしお口に合わなかったらどうしよう」

「その時はその時だ」

「きっと大丈夫です」

「材料はあるのか?」

「お米と卵が足りないかも」

「では私が卵を」

「じゃあ、俺は米を取って来る」




昼食後、俺は米を取りに倉庫に向かった。

レイアは向こうの家に帰って話をしてくるそうだ。

リワンとラーニャは残ってヒトミの手伝いをしている。


さっきより多めに米を貰って家に戻ると、サラダとスープは出来上がっていた。

後はアイテムボックスに入れておいて、夕食の時に出せばいい。

レイアがまだ戻って来ていなかったので、リワンとラーニャとアルギュロスを連れて遊びに出掛ける事にした。

午前中にしっかり勉強していたから、たまには一緒に遊んでやろう。

ヒトミに米を渡し、後の事を任せた。


「川に行こうよ!」

「川があるのか?」

「はい~、大きな川がありましたよ~」


昨日2人で遊びに行った時に川を見つけたらしい。

2人の案内で町外れまで行くと、結構大きな川があった。

川の水は澄んでいて、泳いでいる魚が見える。


「綺麗な川だな」

「うん!」

「ご主人様~、また川で泳ぎたいです~」

「まだ冷たいだろ?」

「大丈夫です~」

「あたし泳げないよ、、、」

「私が教えてあげますよ~」


泳ぐには冷たい気がするが、遊びに来るにはいいかもしれない。

旅の途中で川に寄っても、遊んだりしなかったからなぁ。


「勉強のご褒美に、今度みんなでここに遊びに来ようか?」

「やったー!」

「お勉強頑張りますよ~」


2人は膝まで川に入って遊んでいるが、寒くないんだろうか?

俺はパンを食べながら、その様子を眺めていた。

まともな昼飯を食えなかったから、少し腹が減っている、、、




夕方まで川で遊んで家に帰ると、ヒトミとレイアはリビングでお菓子をつまみながらお茶を飲んでいた。

それを見たリワンとラーニャも一緒になってお菓子を食べ始めた。

もうすぐ夕食なのに大丈夫なんだろうか?


「レイア、そろそろご両親を呼んで来てくれ」

「そうですね、行ってきます」

「じゃあ、準備するわよ」


テーブルの真ん中に大きな皿に入ったサラダが2つ。

近くにはマヨネーズも置かれている。

各席にはオムライスと卵スープ。

予想通りオムライスにはケチャップでそれぞれの名前が書かれていた。

アルギュロスの分にも、、、


「こんばんは。お邪魔しますね」

「どうぞお座り下さい」


特に案内しなくても、2人はオムライスに書かれている名前の席に着いてくれた。

差し入れてもらった酒とジュースを飲みながら、オムライスに舌鼓を打つ。

ご両親もオムライスを美味そうに食べていた。

リワンとラーニャは言うまでも無い。


「これがあのライスだなんて信じられません!ねぇ、お父さん」

「ああ、美味いもんだ!」

「この赤いのが美味しいのかしら?」

「ケチャップです~」

「この白いのも美味いな!」

「それはマヨネーズって言うの」


ケチャップとマヨネーズも好評だ!

夕食を作ったヒトミもホッとしている。


「ねぇ、ヒトミさん。今度作り方を教えてもらえませんか?」

「あ、はい。分かりました」




レイアのご両親を見送って、のんびりとリビングでくつろいでいた。

明日は何をしようか?

米を手に入れてしまった今、もうやりたい事が思いつかない。


「ご主人様~、明日川で遊びましょ~」

「もっと先だ!」

「えー!明日行こうよ!」

「川って何よ?」

「町外れにある川だ」

「ああ、あの川ですか」

「レイア、知ってるの?」

「ええ、夏によく泳いだものです。弓で魚を取る練習もしました」

「とにかく川で遊ぶのはもう少し先だ。しばらくは勉強を頑張るんだな」

「わかりました~」

「はーい」



—————今月は更新が減ります。

すみません_(_^_)_


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