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異世界ナラティブ  作者: SW
第五章
100/105

【14】—————許せん!


次の日の朝食もとんでもなく豪華だった。

量も質も朝食とは思えない、、、


「すみません。私達は出掛けますが、ゆっくりして行ってください」

「はい、ありがとうございます」

「レイア、ちゃんと案内するのよ!」

「わかっています」


出掛ける2人を見送って、朝食に取り掛かるが、とても食いきれる量じゃない。

今日はいろいろ見て回るから、昨日の夜みたいに動けなくなるのは困る。

残った食事をアイテムボックスに入れ、俺達も出掛ける事にした。


「レイア」

「はい?」

「ご両親は俺とお前の関係をどう思ってるんだ?」

「そ、それは、、、」

「もし誤解してるようだったら、ちゃんと話した方がいいかもしれないぞ」

「・・・・・そうですね、、、」




家を出て、村の外れを歩いて行くと、途中で大きな畑が広がっていた。

もう収穫は終わったみたいで、畑には何も作物が無かった。


「ここは小麦畑です」

「—————広いな」

「パンとかお菓子に使うので、たくさん作られています」

「これ全部を村で使うのか?」

「どうなんでしょう?私の家のパンは全てここの小麦で作っていたはずですが、、、」


これなら米も期待できるのでは!

あまり好まれていないみたいだから、かなり余っていそうな気がする。


小麦畑に沿って進んで行くと、大きな建物が見えてきた。

木造の2階建て。

建物の中で人が動いているのが見える。


「あれは学校です」

「学校があるのか、、、」

「はい。1階で文字の読み書きや計算などを教えています。2階では魔法や解体などが学べます」

「レイアも行ってたの?」

「ええ、小さい時に」


俺達みたいな外から来た部外者にも教えてくれるんだろうか?

必要ならリワンとラーニャに教えてもらいたい。


「俺達みたいな部外者も教えてもらえるのか?」

「ちょっとわかりません。後で聞いてみましょうか?」

「頼む。リワンとラーニャに教えてもらいたいんだ」

「私達ですか~?」

「そうだ」

「・・・・・あたしは大丈夫だから」

「・・・・・私も大丈夫です~」

「本当か?」

「た、たぶん、、、」


—————怪しい、、、

リワンは文字は書けるかどうか知らないが読む事は出来たず、ラーニャはどこまで出来るんだろうか?

計算は、、、2人共かなり怪しい。


「リワン、問題だ」

「はい~」

「俺達5人、1人が8本の肉串を持っていたら全部で何本だ?」

「え~と、、、」

「ラーニャは?」

「う~ん、、、」

「・・・・・もし行けるんだったら、2人で学校に行くんだ」

「えー、遊びたいよー」

「私も遊びたいです~」

「そうは言っても、これくらいは出来ないとダメね」

「む~」

「ヒトミ姉様は分かるの?」

「うん、40本よ」

「ヒトミお姉ちゃん、凄いです~」

「これでわかっただろ?学校に行けなかったら家で勉強だからな」

「嫌だよー!」

「大丈夫ですよ、そんなに難しくありませんから」

「そうよ、私とレイアがちゃんと教えてあげるから」




学校の裏の方から林に入り、獣道を進んで行くと、大きな湖が見えてきた。

昨日言っていた湖だ。

その近くに、すでに田植えの終わった水田が広がっていた。

—————しかしこれは、、、


「ねぇ、何か小さくない?」

「ああ、さっき見た小麦畑よりも遥かに小さい、、、」

「え、えっと、、、」

「「レイア!」」

「は、はい!」

「これはどういう事だ!」

「こ、ここではパンの方が好まれていまして、、、」

「そうだとしても、これはあんまりじゃない!?」


いくら不人気とはいえ、これは狭すぎる。

—————許せん!

米を軽く見る輩は許してはおけん!

本気になった米の恐ろしさを見せてやろう!


「米を分けてもらう事って出来ないか?」

「ちょっとだけでもいいから」

「き、聞いてみます」




ブツブツ文句を言っているヒトミと、それに怯えるレイアを見ながら、学校まで戻って来た。

レイアはさっき話した事を聞きに、どこかへ行ってしまった。

逃げて行くように見えたのは気のせいだろうか、、、


帰りはさっきと違って村の中を歩いて行った。

当たり前の事だが、エルフしかいない。

小さい子供も、みんな背格好がよく似ている。

美少年と美少女だ。

少し物珍しそうに見られるが、別に不快な感じはしない。


それにしても本当に緑が多い。

家の周りにもたくさんの木が生えていて、緑と綺麗に調和している。

やっぱりエルフの森はこうでないとな!




「おかえりなさい」

「あれ?レイア、もう帰ってたのか?」

「はい、ほんの少し前に」


椅子に座って、お茶を飲みながらレイアから話を聞いた。


「学校は大丈夫でした。でもここのエルフの子供達も一緒になります」

「2人はいいよな?」

「はい~」

「米の方は長老様に確認するように言われました」

「長老様?」

「そうです。この森の長になります」

「長老様って怖いのか?」

「いいえ、全然怖くありません。ただのお爺ちゃんです」

「なら近いうちに挨拶に行こう」


米の方は長老様次第か、、、

後は宿を探さないとな。



人物紹介等も含まれますが、何とか100話になりました。

この先も物語と同じ様にのんびり進めていければと思っています。

これからもよろしくお願いします。


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