赤ずきん
今日がオープン初日、初お披露目です。やっとこの店がなんの店か分かりますよ。
私は神様ですから、覗こうと思えばいつでもどこでも覗けたし、ていうか分かりますし。でも、店ができる何十年か前に、○○年◯◯月◯◯日に面白そうな店ができるって分かってたので我慢しました。
もう何回覗こうかと思ったことか…予知夢にも出てくる始末です。ギリギリ目覚ましましたけど。
とにかく、今日はオープンの日なんだし、私も最初のお客さんと一緒に入ろっと。
と……早速来ました。入れる! やったあ!
「いらっしゃいませ!」
お客さん第一号で嬉しそうです。あー、可愛い。
「あ、どうも。あの、この店なんの店なんですか?」
「童話の店ですよ!」
「ん?」
ん? ドユコト?
「本屋……ですか?」
「んー、本屋……ではない、ですかね?」
困った顔も可愛いや。
「えーとですね、童話が体験できるんです」
「んん?」
んん? わけ分かりません。
「あれ? だからその……うーん……」
「体験できるってどういう事ですか? もしかしてコスプレ……?」
「あ! いや、コスプレではないです!」
そう言えば、可愛い店主さん、赤ずきんの格好してます。可愛い。
「ああ! そうだ!」
店主さんはビックリすることを言いました。
「童話に入り込むんです!!」
「えっ?」
え!?




