7/15
消えたマスター 1
---------------------------------------------
店を出た真夜中の路地は、裏通りというだけあって相変わらず人通りが少ない。
俺は、まだ寒い夜のその道を歩いていた。
その横を真っ黒なスーツに身を包んだ男が通り過ぎた。
煙草の臭いが鼻を霞める。
古いブランドのレアな煙草だ。
カラン・・・
さっき聞いたばかりの音が寒空に響いた。
「・・・マスター・・・?」
まさか・・・。
俺はすぐに方向転換をして、店へと走った。
「マスター!!」
>>