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カクテル ~名もなき酒たち~  作者: 名口 慎
7/15

消えたマスター 1

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店を出た真夜中の路地は、裏通りというだけあって相変わらず人通りが少ない。

俺は、まだ寒い夜のその道を歩いていた。

その横を真っ黒なスーツに身を包んだ男が通り過ぎた。

煙草の臭いが鼻を霞める。

古いブランドのレアな煙草だ。


カラン・・・


さっき聞いたばかりの音が寒空に響いた。


「・・・マスター・・・?」


まさか・・・。


俺はすぐに方向転換をして、店へと走った。


「マスター!!」



>>

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