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永遠 ♾️ バディ無双 〜爆弾娘と不器用勇者の旅〜  作者: アキなつき
第五部 無双のスローライフ〜人助けと共に〜
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第87話 外の文化


かやぶき屋根のツリーハウス。

緑の匂い、茶色の壁。


奥の部屋は、革の匂いに、革紐、革切り包丁、革細工の工房になっている。

こういう、無骨なクラフト系、いいよな。


「エクシー、このバカが迷惑かけたね」

シルフィーヌが、ドラシルの頭を強引に押さえつける。

「いいえー」

にこやかに笑うエクシー。


「ほんっと、使えない、孫娘婿だよ」

シルフィーヌのジト目。

「そんな、おばあさん!」

反論するドラシルに、シルフィーヌが、飛びつきひざ十字を噛ませる。

「イタイ痛いいたい……!」

ドラシルが、ギブアップのように、床をバンバン叩く。

さすが、エルフ。おばあちゃんなのに、見た目と身のこなしにギャップ。若い。


「おばあちゃん、あまり旦那いじめないで……」

孫娘のシルフィンが、健気にかばう。

エルフだから美人だが、小柄な美少女枠だな。


「ところで、ドラシルは奥さん、かけちゃって良かったのかよ?」

「本当にね、私の大事な孫娘だよ!……冗談じゃないよ。ユウトさん、何か別のことで、相談にのってくれないかい?」

……こちらも本気にはしてないけど。


「なぜ?この人をけしかけたの??」

エクシーがやんわり聞いた。


「バレちゃったかい?

ーーエルフはね。

『村の剣豪、王都の戦を知らず』なのさ」

シルフィーヌのその言葉に納得した。


「確かに、奴隷になっていた時期も長かったが……でも、ずーっと引きこもっていてもね……」

愛おしそうに、小さく笑うシルフィーヌ。

「この子にお灸をすえてやって、誰かを外に出してやったほうがいいと思ってね」


「じゃあ?」

シルフィンの顔が明るくなる。

「あんたも、外の世界見てきたいんだろ?」

その言葉にうなずくシルフィン。

「ええ……村の中は退屈なんだもの。

せいぜい、温泉に入って、お酒飲んで、あとは夜の楽しみぐらい」

……いや、十分楽しそうだが。

毎日だと飽きるのか。


「エクシー、ユウトさん、この子の面倒見てもらえないかぃ?」

シルフィーヌが頭を下げた。


ーー

ファミリーの拠点。

作業部屋のテーブルの片側におれとセレナさん。


「今日からお世話になる、シルフィンです」

ペコリと頭を下げる。

「セレナです。貴方が私に教えてくれるの?」

「はい、ユウトさんには、ここでエルフの加工技術を教えるように言われてます」

「本当に?……」

セレナさんの顔が明るくなる。


「前から、革細工とかやってみたかったの」

お裁縫の腕はそこそこだし、他のことをやりたかったらしい。


代わりにファミリーで、『世界情勢の情報収集』、『戦闘訓練』をする事になった。


世界初、エルフの村と人間界の"秘密の"交換留学生だ。


そんな二人を見ながら。

「新婚旅行を邪魔しちゃって、ごめんよ。今度こそ、誰にも知られずに、ゆっくりしにおいで」

シルフィーヌさんの言葉を思い出していた。

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