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永遠 ♾️ バディ無双 〜爆弾娘と不器用勇者の旅〜  作者: アキなつき
第五部 無双のスローライフ〜人助けと共に〜
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第80話  灯を落とす日


マルスの最初の妻、ベルナは足早に職場に向かった。


ラストデーの、今日こそは一番最初にお店に着いていたかった。


ただ、バルラント(マルスの苗字)一家を出てくる時、セレナはすでにいなかった。


……開いている。


小さく笑う。

一番最後に妻に加わったから、一番最初に店に来る。

一日も欠かさなかった、かわいい歳下の義理の妹。


「おはようさん」

「おはようございます、ベル姉さん」

いそいそと、お茶を入れてくれる。


「こんなに広かったかね……」

五人分の道具、お客さんのための材料が無くなった店は、寂しさの分だけ広かった。


「そうですね、2セット分残して、処分しましたしね」

セレナの口角はあがりながら、眉は少し下がっていた。


それをベルナに悟られないように、あさってのほうを向いている。



若い彼女に嫉妬してないと言えば嘘になる。後悔も、失敗も、人を傷つけてしまった事も、嫌な人間だった時もある。


でも、絶対に五人で無いと続けない!……むしろ一番、頑なな歳下の彼女達に大事な物、大事な時間を過ごせたと思った。


心の中にかけがえのない宝が残る、嬉しくて仕方なかった。



その日、セントラルで一番有名な仕立て屋『6番目のマルス』はしっとりと、でも、軽やかにその幕を閉じた。

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