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第0話 心の痛みに封をした(B面:エクシー視点)

魔王が死んだ。


通り名: レオン


本名: リオン



優しい人で、大好きだった。ずーっと一緒だった。


800年?900年?もう忘れてしまった。


「ごめんね、エクシー……」

あの日の声。


鳥のさえずり……オレンジ色の陽の光。

彼女の部屋のベッド。

あの日のまま。


「ごめんね、一緒にいられないで……」


大好きな声。


もう、散らかったままにならない部屋。

「片付けてよ!」って、注意する相手もいない部屋。


「なんでよぉ……」


私の声が、やけに響く。


無。


無。


無。


返ってこない。


「なんでよぉ……」

彼女の部屋、ベッドに顔を埋める。


まだ、香りがする。



「なんでよぉ……ごめんねは辞めようって、先にいくからごめんねは辞めようって……」


約束したじゃない?


ねぇ……こたえてよぉ〜。リオン。


ずーっと一緒だった。永すぎるぐらい。


永遠だったのに。


胸の痛み。


息を止めて。


蓋をする。



大丈夫。



ふー。

目から血の涙。

歯を食いしばる。


負けはない。私はあなたで、あなたの娘。


いくね。行くからね。


息を止めて捻り出すように立ち上がる。


一歩、また、一歩。


バタ……。


散らからない部屋に封をした。



永遠だった、楽しい時間。


永遠に戻らない時間。


───第一部完(エクシーの過去と二人の出会いまで) ────



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