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第22話 助けるぞ


ジジさんにおぶされたまま、角を曲がる。


目の前に現れたのは、バスケットゴールほどの巨体。筋骨隆々、その巨体で……動きが速い……オーガ。


「ちょい、まっちょれよ」


ジジさんが、大剣を手に持ち。

「ズシャ!!」

唐竹割り一閃。

はやっ。つぇーな……。


剣の血糊を拭いて、またおぶってくれる。強くて、優しい。最高のバディじゃねーか。



トラウマの道をおぶってもらった後は順調だった。


オーガが出る。今度は俺の番だ。


「シュンっ!」


鬼切丸を一閃。

すっきりとした音と共に切れる。


腕は鈍っちゃいない。身体は自然と動く、身体強化も問題無い。むしろ調子いい。


「剣も一流か……?」

「こっちは、トラウマ無しみたいだ。ありがとよ」

「グハハ……今回の件、いけるな!」



ーーそんな俺らの前に……ついに姿を現す。

手が四本の怪物。



【メガオーガ】



ードンっ。

ファイヤーボール。

片手で止められる。落ちる1本の腕。

まだ、腕は、3本あるっ!!


ジジさんのほうにいった。


やべっ。

間に合えよっ!

1本2本3本、腕がリズミカルに流れ、ジジさんに当たる前に。

「シャッ!」

斜めから切り上げる。


ジジさんも、無傷で、オーガの首元に剣をブスり。倒れるオーガに、すかさずトドメ。


「ふー」

「思ったより、手が四本が、ヤバいのぉ……」

ああ、ヤバ目だ。

連携もぶっつけ本番だ。


あれを使えれば……でもなぁ……。



ーー次々と、オーガ、メガオーガと、出てきて、ギリギリの攻防が続く。

『草原の狼』は無事かっ……?

焦るな。焦るな。


次々と倒しながら、隠れやすい場所を探す。


「いたぞ……」


「ヒッ……」

「大丈夫か?」

岩陰に隠れていた、一人の男をジジさんがハグする。

それで嫌な予感がする。


躊躇なく、状況を確認するジジさん。

「大丈夫か……他のメンバーは?」

「死んじまった……ダメだった……」


ああ……間に合わなかったか。


わるぃ、トマス、みんな……。

あんだけ、啖呵切ったのによぉ……結局、ひとつも救えてねぇじゃねぇか。


「……ポーション飲むか?」

ジジさんが、気持ちを鎮めるように瓶を取り出し。

「……うぅ……」

残った男、エリオット君にわたす。


エリオットの手から瓶が離れたあと、一瞬こちらを見た。

何かを言いたげに……でも何も言わずに。


「辛いかもしれないが、いくぞ!!」

ジジさんの小さくても、力強い声を出す。


……そうだ、感傷に浸るのは外に出てからだ。



……生きて帰るぜっ!!



助けられなかった命の重さと、焦る心。


メガオーガに見つからないように、オーガに見つからないように。注意しながら、進む。


何体か、オーガとメガオーガを倒し、連携にも慣れてきた。



「ヒャッヒャッヒャッ……」

暗い道の先から響く声。


……なんだ?


「ヒャッヒャッヒャッ、ヒャッヒャッヒャッ……」

人じゃ無い甲高い声。


ピタピタとゆっくりと、音の正体が近づいてくる。


音に合わせて不安も膨れていく。


現れたのは。


1体の。


オーガと。


目を四つ持ったメガオーガ


【ギガントメガオーガ】だ。

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