Episode2両親
『神』と出会ったことで第二の人生が始まりそうな優依。彼女が選んだ時間とは。
神 「好きな時間に生まれ変われるとしたらいつがいいですか?」
優依 「え?!」
神 「例えば過去でいえば19世紀のヨーロッパや未来でいえば22世紀だとか」
優依 「突然そんなこと言われても、、、」
神 「悩むのも仕方ありませんね。では好きなアニメや漫画などの舞台の世界などはどうでしょう。」
優依 「それなら!大正時代!」
神 「良いと思います。ですがなぜですか?」
優依 「最近見たアニメで大正時代が舞台の和風シンデレラストーリーがあって、すごく憧れたの。」
神 「そうだったのですね。ただ、そのままあなたを日本の大正時代に送ってしまうときっとあなたは今
よりも苦しい思いをします。」
優依 「え、、、」
神 「そこで私から提案です。美国という国をご存知ですか。」
優依 「あの世界的に中立した立場にいる日本の分家みたいな国ですよね。」
神 「はい。その国は大正時代頃から今の日本のような制度が導入されているとても安全な国で、和用両
方の生活を取り入れているため、暮らしやすいと思います。」
優依 「そんなことまでしていただかなくても、、。ですがありがとうございます。
神 「では、出発してよろしいですか。」
優依 「何から何までありがとうございました。」
神 「優依、あなたの活躍を祈っていますよ。」
眩い光とともに優依は神の力により大正時代の美国へと旅立った。
神 「優依。今までごめんね。あっちでは幸せになってね。こんな母で本当にごめんなさい。」
1895年1月30日。雪静かに降る夜。一組の夫婦が笑顔で何かを見つめている。その正体は生まれたばかりの赤ちゃんだった。夫婦は外にある椿の花をみて何かを思いついたように互いの顔を見る。そして同時に「椿!」と言った。
妻「この子の名前は椿がいいと思うの。」
夫「僕もそう思っていたよ。」
妻「じゃあこの子の名前は椿でいいわね。」
夫「この子は椿のように美しい子になるよ。」
妻「椿。これからよろしくね。」
???「ここはどこ?この人たち誰?え?椿?私は優依だよ。」
どうやら優依の生まれ変わりは成功したようだ。優依は椿として生まれ変わったのだった。そして、夫の名すなわち父の名を中野太輔、妻の名すなわち母の名を中野楓と言う。優依にとって初めての父だ。
中野家は家柄はそこまで良くはない。だが、愛情はたくさんある家族のようだ。
つづく
見事、明治後半の美国に生まれる事ができた優依。両親という存在ができ明るい未来になりそうだ。このまま行けば大正時代に青春を送ることができそうだ。