表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
岸高隆史の恋愛物語  作者: 斉藤
本編
7/22

「修羅」

隆史の目が変わった。

優しさも笑顔も消え、今度は異様な警戒心と不安でギラついていた。


「なあ……最近、誰かとLINEしてない?」


朝食中、不意に矢智代に問いかける。


「え? 仕事の人とだけだけど……」


「そっか。じゃあスマホ、ちょっと見せて?」


「……は?」


「いや、別に疑ってるとかじゃなくて。確認したいだけ。安心したいっていうかさ!」


ナビの声が響く。


「“修羅”ステージへようこそ! この段階では、“愛”=“独占”と錯覚し、相手を支配することで安心しようとします! おめでとうございます、あなたの愛、ねじれました♡」


隆史は、家の中のすべてを“管理”し始めた。

冷蔵庫の中身にメモ。通話履歴の確認。矢智代の服装にまで指示。


「今日はそのスカート、やめといたほうがよくない? なんか……見られるの嫌だし」


最初は困惑していた矢智代も、やがて静かに、しかし確実に怒りを感じ始めていた。


「ねえ。私、あなたの“所有物”じゃないよ」


その言葉に、隆史の心がざわついた。


「違う……そんなつもりじゃ……俺はただ、君を大事にしたいだけで……」


「その“大事”って、結局は“自分の不安を潰したいだけ”でしょ」


言い返せなかった。


ナビは機嫌よく告げる。


「はい! “修羅”フェーズ、完了です! ようやく“人”になれますね! 今度は“相手も感情のある存在だ”と学んでいただきます!」


その瞬間、隆史の中に、不思議な“声”が芽生えた。


──彼女は、彼女で何かを感じて、何かを我慢してきたんじゃないか?


それは初めて、自分の中ではなく、“矢智代”という一人の人格に目を向けた瞬間だった。

隆史が変わったのは仕事に対しても「苦しい時ほど楽しんで」を使いだしたからである

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隆史が変わったのは仕事に対しても「苦しい時ほど楽しんで」を使いだしたからである
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ