表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
staying out for the summer  作者: 双葉紫明
蝉の声が止んだ時
7/52

 僕はその年の夏休み、何度もそこへ足を運んであきを待った。

 彼女は来なかった。

 なんで去年来なかったんだろう。

 彼女は去年の夏休み、こんな風に僕を待ちぼうけたのだろうか?

 もう遅い。

 忘れるしか、ないんだ。

 その年の冬、僕の両親は離婚して、すぐに母親は浮気相手のひとりと内縁関係になった。

 引っ越し。

 あのボロ長屋に未練なんてないけど、たったひとつ、あきのこと。

「きみの身体はきれいだ、誰よりも」

 言えなかった一言。

 今でも女子の身体なんて見たことないけれど、なんであの時言えなかったんだろう。

 後悔が残った。

 この後悔はきっと、死ぬまで消えない。

 転校した先、不良に囲まれ殴られた。

 前歯が折れた。

 みっともない顔、治す金はない。

 ただ悔しくて、痛みより悔しくて泣いた。

 女。

 それが原因だった。

 それから女に関する受難を掻い潜るうち、僕はあきとのあの美しい思い出を忘れてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ