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staying out for the summer  作者: 双葉紫明
dogs and cats
44/52

 どうしたら良いか、わからなかった。

 初めて僕との子供を産んでくれる女性。

 初めて娘の相手として迎えてくれるご両親。

 初めて、二階建ての家。

 あきの両親は日光への旅行のついでに立ち寄ってくれて、僕の母親とも一度顔を合わせてるし、アパートにも来て僕らの暮らしぶりも見ていた。

 劣等感。

 いや、そんな事は言ってられない。

 実際僕の借金は減ってないし、あきが働けなくなってからどうなる事か。

 世話になりながら、役にも立てるかもしれない。

 何よりあきは初めての出産。

 そこまでの無事と、産後の安心が第一だ。

 こっちに居たら心細いだろう。

 不安になってる場合じゃないんだ。

 また都会へ。

 バンドだって出来るだろう。


 新婚旅行の大室山。

 リフトで上がる、カルデラ。

 富士山に東京、360度のパノラマのそのずっと向こうに、僕の故郷は霞んでいた。

 強風、記念写真の歪んだ顔、車の故障。

 その先を暗示するみたいな不吉さも、晴れて一望出来た景色、宿の美味しい晩飯に貸し切り露天からの冬の花火、良いお湯の朝風呂。

 楽しいん事ばかり考えた。

 けど、僕らが行った天城いのしし村は、数年後には潰れてしまった。

 知らない世界。

 壊れてない家族。

 僕はそこで、うまく振る舞えるのだろうか?

 僕は彼らの中に「本当じゃない何か」がとても重要になってる雰囲気を感じていて、それが何なのかわからなかった。

 それでもあき。

 あきと僕からは僕らの家族。

 そう思っていた。

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