表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
staying out for the summer  作者: 双葉紫明
psycho killer
20/52

 一緒に逃げた彼女とはくっついたり離れたり。

 2度目の妊娠も、彼女が堕ろすと決めた。

 3度目には僕にはもう、遠慮がちに「産んでくれたらきっと…」と言う気力しか残って居なかった。

 女の居ない世界に行きたい。

 その高まった感情をうすうす知りながら、どこかで仄かに期待して、受け入れ、従い、また繰り返す。

 サイコキラー。

 それが僕だ。

 音楽だってうまく行かない。

 自分の曲を、誰かに納得行くまで突き詰めて演奏してもらう為の押し付けなり厳しさなり。

 それを持つ勇気がない。

 あまりに臆病だった。

 勝手に誰かに期待して、いつも何かのせいにして。

 自分が居ない。

 あれ?なんだか、昔誰かがそんな事言ってた。

 誰だろ?いつだろ?何処だろう?

 ともかく僕のそんなひ弱な精神が、殺人という最悪な罪を幾度犯しても治らない。

 指折り数える。

 償いきれない罪。

 それを僕は、もう背負いきれない程背負って、その足はアスファルトに亀裂を入れて地べたにめり込んでいる。

 いつしか30歳になっていた。

 いよいよバンドも立ち行かず、僕は故郷へ追われるようにして帰った。

 誰も残らず、金もなく。

 その間に兄貴は行方不明、弟は交通事故で死んでいた。

 母親の再婚相手も病気で死んでいた。

 借金を残して。

 僕は車に少しの荷物を積み込み、そんな頼れるはずもない母親と種違いの弟が暮らす「実家」にねぐらを頼り、ひとり真っ暗な夜道を走り出した。

 あまりの心細さに今まで無関心だったインターネットを覗いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ