満月の魔法
柔らかな月明かりがレースカーテンから
洩れてきていて電気をつけなくても
ほんのりと部屋が明るい
もうすぐ満月だねと話していたから
きっとあなたも見上げているかな
虫たちの声もどことなく
月明かりを浴びてまどろんでいるようだね
照らされた電信柱さえ今日は美しく映るよ
曇り空と小雨の真昼には満月を見ることを
あきらめていたけど
今夜は雲が晴れていった
きっと魔法の箒がはらってくれたね
あなたの歌は魔法のように
わたしの心を晴れにした
けれど
月の光は優しい雨の響き
月の雫は静かな涙の味
破れた傘の隙間から
わたしの心に沁み入ってくる
レースカーテン越しの月光は
柔らかな雫でわたしを満たしてくれた
月はわたしをみつめてた
わたしも月をみつめてた
満月の今宵、わたしは黒猫になって
あなたの魔法の箒で空を飛ぶ夢をみたい
ただ大好きなひと達とのしあわせだった想い出を巡りながら