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第32話 花の聖地グレース

 リップの背中に揺られながら私達はグレース村を目指していた。


 「ラルドさん良い人だったね、りんごも5つ頂いちゃったし」

 私がカイトに笑顔で言うとカイト「そうだな」と頷いて言った。


 「まさかカイトにあんな才能があるなんて思わなかったわ。家電修理屋でもなればいいんじゃない?」


 「あんなんでお客がくればいいけどな」

 カイトは褒められるのが相変わらず苦手みたいで、謙遜して言った。


 「来るわよ絶対、自信を持ちなさい。次はグレース村よ、私楽しみだわ。色とりどりの花を育ててるって言ってたけど、なんでそんなことをするのかしらね」

 私はどんな村なのか空想を振らませて期待するのと同時になんで花を沢山育てているのか疑問に思った。


 「観光客を呼び込むためじゃないかな」

 カイトが言った答えは、まるで夢がなく私はがっかりした。


 「カイトったら現実的で夢がないわね」


 「じゃーアサはなんでだと思う?」


 「きっと村の人々で花束を渡し合う習慣があるのよ。

 色とりどりの花の中から摘んで世界で1つだけの花束を愛する人にプレゼントするの」


 「アサはロマンチストだな」


 「なによカイトそれ馬鹿にしてない?」


 「そんなことないよ」


 「クワークワー」

 リップが突然鳴き出し私達にグレース村が見えて来たことを知らせた。

 

 「わーきっとあれだわカイト」

 見下ろすと色とりどり花が咲いてるのが上空でも見て取れた。


 「本当に花で咲き乱れてるな。あんなところに本当に人なんか住んでるんだろうか?」

 カイトは不思議に思ったがこんな所で考えてたも仕方ない。


 「こんな所でぶつぶつ言ってても仕方ないわ。村に降りてみましょ」


 グレース村につくと見たこともない花が花壇に咲き乱れており、私は興奮と感動で一人先に行動してしまって、村を走り回っていた。

 村人は逆にリップの姿が珍しく写り、花の鑑賞どころかリップが通りかかる所皆振り返りリップを見つめていた。


 みんなにじろじろ見られるもんだからカイトは花の鑑賞所ではなかった。

 「アサの野郎一人で先行っちまってよう」

 カイトが一人でぶつくさと文句を垂れていると前方で私が二人に手を振っていた。

 

 「カイト、リップ早くこっちよ」

 私に呼び出され、二人が私の元に駆け付けると私の隣にはグレースの村長がいた。


 「こちらグレース村のセドリック村長」

 私がカイトに村長を紹介するとカイトもすぐ「カイトです」と名前を名乗った。

 そして私はその隣にいる竜のリップをセドリック村長に紹介した。

 

 「竜ですか。これは大変珍しいものにお目にかかれたものです」


 「いいえ、私からしたらこの色とりどりの花達のほうが珍しく感じますわ」

 私がそう言うとカイトはさっき私達が話していた疑問を村長にぶつけた。


 「村長この村では、なんでこんなにも大量の花を育てているんでしょうか?相当のコストだと思うのですが」  


 その質問に村長はすぐには答えようとはしなかった。そして気付けば顔付きも暗いものになっていった。

 「本当に知りたいですか?知らないほうが君達の夢を壊さずに済むと思いますが、それでも知りたいと思いますか?」

 まるで脅すかのような言い方を村長はした。


 「何か裏があるのなら私は真実を知りたいです」


 「いいでしょう、私の自宅に案内しますこちらへ」

 村長は私達の意志が固いことを確認して自宅へと案内して、私達は村長の跡をついて行った。



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