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第27話 竜の力封印

 村人の拍手がなり止むと、アザエルさんが一歩前に出てきて私とアーロイさんに視線を送った。

 私達は言われずともアザエルさんの言いたい事を理解して、二人でアザエルさんの前にやってくるとアザエルさんが言った。


 「アサもう竜の力に未練はないな」


 「少し寂しい気もするけど、私にはジョセやリップやカイト、頼れる仲間がいるから大丈夫」


 「それは良き仲間に恵まれたな」

 そう言うとアザエルさんは次にアーロイさんに向けて言葉を口にした。


 「アーロイあなたは竜の力を過信し、誤った使い方をしてしまった。

 本来なら罰則を与える所だが、アサの意向、そして最後の選択を誤らなかった事から、今回は特例として不問とする」

 アーロイさんは謝罪と感謝の意込め、アザエルさんに一礼した。


 「ではこれより二人から竜の力を封印する」

 アザエルさんの言葉とともに大きく風が吹き荒れると、私は指先から竜の気のようなものが抜けるのを感じ取った。


 「アサよ、これにてお前に与えられた試練は完了した。カイト貴殿も協力に感謝する。

 君達にとって、もう私に会わないことが一番望ましいことだと思うが、次に竜の力を持つものが現れた時。

 その時は私は再びこの大地にもう一度足を踏み入れることになるだろう。

 この意味が分かるな、アサ、アーロイよ。

 この言葉、忘れることなく生きよ。さらばだ」

 最後に私達に警告の言葉を残すと、アザエルさんは翼を一振りして大きな風を巻き上がられせ、次に目を開いた時にはその姿を消した。

 残された空に舞い散る白い羽がまるで天使の羽のようで綺麗だった。


 私とアーロイさんが残され、アーロイさんが私に向きかえるとアーロイさんが言った。

 「アサこれで私も晴れて只の人になった。お前には沢山迷惑かけてしまったな」

  

 「アーロイさんそんなことないですよ。これからはサリサ復興のために頑張って下さい」


 「ありがとう感謝する」

 アーロイさんから手を差し出し、私達は握手交わした。


 そこにカイトが駆け寄り、カイトはアーロイさんに何か言いたげな表情を浮かべるとアーロイさんからカイトに話しかけた。


 「お前とはもう一度勝負をしたいと思っている。次は負けんぞ」


 「ああ、その時はお手柔らかにな」

 カイトが拳に突き出すとアーロイさんが応えて、二人は拳を合わせて微笑んだ。

  

 その後アーロイさんとジュエルさんに別れを告げると、二人は避難したサリサの民の元に帰っていった。


 それからのことは怒涛のように日々が過ぎていった。マリエルの村人とマカの人達を再会させ、2つの村人は協力して新しい集落を作ることにした。

 イチから村を作るというのは大変なもので、私達も素人ながら数日間は復興の手伝いをした。

 そこでもリップの竜の力は大変重宝され、2つの村の復興に大きく貢献した。


 そして私達はマカの人達と別けれる日を迎えた。


 「みんな大変お世話になりました。今日でみんなとお別れです」


 「いや、感謝するのは俺達のほうだぜ。あんたらにはいくら感謝してしきれないぐらいだ」

 ミコットさんが言うとルード村長が後に続いた。


 「またこちらに来ることがあればいつでもマカの村にお立ち寄り下さい。いつでも歓迎致しますので」


 「その時はお世話なります」

 私が村長に頭を下げてから頭を上げると、人混みをかき分け一人の少女が私の元へ駆け寄ってきた。


 「お姉ちゃん、時々でいいからリップをつけれて遊びにきてね。必ずね」

 私の前に現れたのはサリムちゃんだった。


 「うん、サリムちゃん約束するわ。ではみなさんお元気で」

 私はリップに乗り込み大空を舞った。

 村人達は私達が見えなくなるまで大きく手を振り続けた。


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