第22話 最後の戦い
丘に下り立ち私は置くでうずくまるアーロイに向けて警告した。
「アーロイあなたはもう黒竜の力を失った。これ以上の戦いは無意味です、降伏して下さい」
しかしアーロイはおもむろに立ち上がると好戦的な態度を崩さなかった。
「アサ、それはお前も一緒だろ?
私は戦いをやめない、憎きマカを全滅させるまではな」
「これ以上の暴走行為認めるわけにはいかないわ。あなたをここでとめてみせる」
「この俺の力をみくびるなよ小娘が、ウィリーのようにいかんぞ」
アーロイが腰には備えた剣を抜いて、こちらに刃を向けた。
私もリップに備わった棍をとり構える。
するとジョセが私の背中越しに言った。
「これは真剣勝負じゃない。アサ私も加勢するよ」
ジョセはポシェットに備わったナイフを取り出し、指の間の全てにナイフをつけ構えた。
戦い火蓋が切って落とされようする中、上空を旋回して私達を見守っていたアザエルさんがどこかを目指し、飛び去っていってしまった。
「いいだろう手間が省けるというものだ。二人同時に相手してやる。かかって来い」
アーロイの『来い』の合図とともに先制したのはジョセで、8本のナイフを巧みに扱い、次々とアーロイに投げ込んだ。
流石ジョセだけあってコントロールは完璧で8本全てのナイフがアーロイに向けて飛ばされてゆく。
しかしアーロイは剣で弾くことはせず、黒い鎧に包まれた腕で全て的確に弾いていった。
それは剣を使えば、その隙に私が攻撃することを理解していたからだ。
アーロイの選択は功を奏して、私の攻撃を見事受け止めた。
しかし私の方は重いアーロイの攻撃を止めきれず、後方に吹き飛ばされてしまった。
「一撃が軽いな、それでは私の相手は務まらんぞ」
倒れる私に向かってトドメに向かうアーロイに、ジョセは私を助けるためにまたもアーロイに向けてナイフを投げた。
しかしアーロイは直ぐ様ジョセに気付き、先程と同じように腕の鎧で弾こうとするが、腕に当たるなりナイフは火花を散らし爆発した。
「爆裂弾仕込みのナイフだ。全て受け取れ」
ジョセが動きを止めたアーロイに向け、攻めの手を緩めずに次々とナイフを投げ込む。
私もすぐに立ち上がり、爆発に耐えるアーロイの腹部に目掛けて渾身の一撃を放った。
アーロイの鎧は砕け、アーロイは大きく後方に吹き飛ばされ地面に叩きつけられた。
立ち上がる様子のないアーロイをみて、私は後ろを振り返りジョセに親指をたてgoodのポーズをとる。ジョセも私と同じgoodのポーズ取り笑顔で返してくれた。
しかし次の瞬間ジョセの足に矢のようなものが突き刺さり、ジョセは地面に倒れた。
正面を向くとアーロイが寝そべりながらも、ボーガンを構えており、次は私に向けて引き金を引いた。
私は放たれる矢を棍で全て弾き返しなんとか難の逃れた。
「みくびっていたのはどうやら私だったようだ」
アーロイはふらつく体でなんとか立ち上がり、弾切れしたボーガンを水の中へと投げ捨てた。
「黒竜になれぬとも私には竜の力が宿っているのだ」
するとアーロイの瞳が赤く濁り、それはあの時アザエルさんが使った力と一緒だった。
一瞬で距離を詰められ、なんとかアーロイの攻撃を防ぎはしたものの、間髪入れずにアーロイが蹴りを放ち、その足は私の腹部を捉え、私は地面を転がり倒れた。
隣は既に水辺で、私は完全に追い詰められてしまった。ジョセも倒れ絶対絶命の中、アーロイがゆっくりとこちらに近づいていった。
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