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第14話 ルヴィー?

私は穴蔵の奥で何をするでもなく地面に突っ伏して落ち込んでいた。


 直ににに森に出掛けていたジョセ達が帰ってきた。


 「アサ戻ってきたぞ、今から火たくからな」

 私はジョセに返事を返さなかった。

 ジョセは枯れ木を小山のように積み上げて、リップに火をはかせた。

 焚き火に火が灯り、薄暗い洞窟が幾分明るくなり温かい。これで風邪を引く心配はなくなった。


 「これでよしと、いやーまぁたまげたな。昨日の友は今日の敵ってってこういうことをいうんだな」

 ジョセは私が落ち込んでるの察して、気丈に元気に振る舞った。


 「うん」


 「サーカスで刺激的なことには慣れてるつもりだったけど、今回のは流石の私も久々にひやひやしたよ」


 「うん」

 私は淡々とジョセの言葉に頷いた。

 するとジョセが真剣な表情で私に語りかけた。


 「リップがいなかったら助かってなかった。本当にリップ様々だな。

 アサ、あたしは別に逃げたっていいんじゃないかって思ってる。

 どうすることも出来ないことだってあるよ。あたし達の存在なんてそんな小さなものなのさ。

 駄目で元々だよ」

 ジョセがを私のためにせっかく慰めてくれてるのに、今の私にはその言葉も心には響かなかった。


 それからしてジョセとリップはお昼の食べ物の調達のために、また森へと足を運ばせた。

 私は体を起こしはしたが依然心は晴れないまま。

 程なくしてジョセが戻ってきて、焚き火の火に大きな平らな石を乗せ、フライパン代わりに調理を始めた。


 「アサ昼飯だよ。リップが卵かっさらってきたから一緒に食べようぜ」


 「いらない」

 いつまでもうじうじしてる私をみて、とうとうジョセが私に怒った。


 「アサいつまでそうしてる気だよ。ショックなのは分かるよ。

 それでも生きなきゃ、自分の人生でしょ。他人のために自分も一緒に腐ることないでしょ」


 「他人じゃない。ジョセにとってサリムちゃんも他人なの」


 「違うに決まってるでしょ」

 ジョセは勢い余って私の頬にビンタをして乾いたパンっという音が洞窟に響いた。


 「ちっとそこで頭を冷やしな。リップきなさい」

 険悪な雰囲気にしょんぼりしたリップがジョセに掴まれ二人で外に出ていった。


 外に出てジョセは曇り空を見上げ、私にビンタをしたことを反省した。

 「頭冷やさないといけないのは私だな」


 「グワッグワッ」

 リップが鳴いてジョセに言う。


 「あんたも人の言葉少しは覚えな。アサがいうにはあんたの母親は流暢に話せたらしいじゃないか」


 リップはフンっ拗ねた。


 二人で不毛な会話をしていると、ジョセの視界に空からこちらに向かって何かが見えた。


 「うん?なんだありゃ」

 ジョセが目を細めてみると、それは白い竜アザエルさんだった。


 「おいアサお前が言ってた白い竜がこっちにやってくるぞ!!」

 ジョセが大慌てで洞窟に向かって叫んだ。


 「ジョセ大丈夫。私が呼んだの」

 洞窟の外に私が出てきて、首に掛けた笛を吹いたことをジョセに説明した。


 そして白き竜アザエルさんが私達の前に姿を現した。 


 「黒竜の姿はどこにもないぞ。アサここに戻ってお前は何をしているのだ。これは使命を諦め、放棄したいうことか?それも良かろう。

 その際は竜の力を悪用しようとした2つの村を私が滅ぼすことになる」

 アザエルさんにそう言われサリムちゃんとの記憶がちらついた『アサ姉ちゃん』


 「そんなこと絶対にさせない」


 「怖い顔だね、それなら力づくで私を止めるか」


 「なんだよこいつもアサの敵なのか」

 ジョセが手にナイフ掛けながら言った。

 するとアザエルさんはまばゆい光に包まれその中から私の知ってる人影が現れた。

 白いショートのくせっ毛の髪。その姿はまごうことないルヴィーさんの姿だった。違いといえば瞳が赤いことくらいだ。


 「ルヴィーさんなの?」

 私の問いかけ彼は答えた。

 

 「何度も言わせるな私はアザエルだ。そこの嬢さんアサを少し借りるぜ」

 アザエルさんがジョセに目を合わせて言うなり、ジョセが瞬きをした途端、私とアザエルさんその姿を一瞬にして消した。


 「なんだよこれ神隠しかよ」

 また私がさらわれたと思いジョセとリップはあたふたとした。

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