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第8話 お互いの手の内

 サリサの石造りできた建造物の中で体を休めるアーロイさん、その隣には妻であるジュエルさんに警備にウィリーさんもついていた。

 

 「ウィリーよ、村にお前がついていながら何故竜の脱走を許した?」

 アーロイさんが目つきを鋭くしウィリーさんの失態を追及した。


 「申し訳ございません、奴ら門番に眠り薬を使用し、サリサに侵入したようなのです」


 「それでも牢獄の警備は万全だったさずだ。奴らはどうやって竜共を開放したのか」


 「はい、申し訳ありません」

 ウィリーさんが跪き謝罪すると、外から牢の警備兵が慌ただしくアーロイさんの元へ駆けつけた。


 「アーロイ様に報告があります。例の女が目を覚ましました」


 「ウィリーよ分からぬというなら、彼女本人の口から聞くとしよう。

 それにして10数分で目を覚ますとは随分タフな女だな。

 よし、ウィリーよあの女をここに連れてこい」


 「はっかしこまりました」

 ウィリーさんは私がいる牢獄へ足を運ばせた。



 私は頭がくらくらしながらも、なんとか意識を保って顔を上げた。

 「釈放だ。アーロイ様がお前と面会したいとのことだ」

 私はウィリーさんの肩を借りてなんとか立ち上がりアーロイさんの元を目指した。


 「ウィリーさん?」


 「そんなに怯えるな、アーロイ様のあの様子なら悪いようにされないだろう」


 「ウィリーさんあなた一体何者なの?」


 「私はアーロイ様の右腕の黒騎士だ」

 ウィリーは視線を私に向けず前だけ見て言った。


 「私が聞きたいのはーー」

 話を逸らされたように感じ私がもう一度聞き直そうとしたが、ウィリーさんは最後まで聞いてくれず「それ以上のことは答えられん」と、口を閉ざした。


 そして私はアーロイさんの所へ連れてこられた。

 「アーロイ様女を連れてきました」

 

 「そう怖い顔をするな、取って食おうなどとは思ってない。少しお前に聞きたいことがあるだけだ。私はアーロイこの村の長だ。お前の名は?」


 「アサです」


 「アサか中々いい名だ。所でアサお前どうやってうちの警備をくぐり抜け竜を脱走させたのだ」


 「それは……」

 ジュエルさんがなんて言える訳ない。助けてもらったのに恩を仇で返すような真似。


 「お前も答えぬか、アサといいウィリーといい一体誰を庇っているんだ」

 その言葉を聞き、私は体をビクッとさせた。この人は全て知ってて私達に聞いてる?


 「アーロイ私よ」

 ジョエルさんが自ら名乗りをあげた。


 「彼女達はマカの村の者じゃない、だから自分達の村に帰るようお願いしたの」

 その言葉を聞いた。アーロイさんは無言で立ち上がりジュエルさんに向き合えると彼女の頬を強く平手で叩いた。ジュエルさんが倒れ、私が飛び込み彼女の体を支えた。


 「勝手な判断は許さん。いくら我が妻とはいえ二度目はないと思え」


 「お前これが愛する者への仕打ちか」

 私は怒りに任せてアーロイに言い、拳を振り上げる。

 しかしアーロイはその拳を覆い掴み止めてみせた。それでも私は力をこめ、アーロイの腕は小刻みに揺れた。

 私の瞳を覗き込みアーロイが言った。


 「やはり貴様只者ではないな。貴様は何者なんだ?今朝お前が白い竜に乗っているのを私がこの目でみた。

 あの竜は今どこにいる?」

 アーロイが掴む手に力をこめ、拳を潰されるのような痛みに私は膝をついてしまった。

 膝をつくとアーロイは力を抜き私の返答を待った。

 「それは私にも分からない。私の仲間という訳じゃないから」


 「知らないだとそんなはずあるか」

 アーロイが語気を強めて言う。


 「あなたは何にそんなに怯えているの?白い竜がそんなに恐ろしい?」


 「なんだと」


 「リップを襲えたのは、サイズがあなた方の持つ黒竜より一回り小さかったからで、アザエルさんには勝てないと思ったから黒竜を使わなかったんでしょ」



 「ふざけたことを、我らの黒龍は無敵そのものだ。どんな敵にも屈することはない。

 さぁあの竜の居場所を言え、背中に乗って飼い慣らすくらいだ。お前ならあの竜を呼べるだろ。あれはサリサにとって脅威になりえる、争いの種は滅ぼさねばな」

 アーロイは手に力を込め私には尋問したが、私は苦痛の表情を押し殺し笑顔で答えた。


 「あなたは知らないようね。その脅威、ここにも居るということを」

 私は竜の力を解放して、本来の自分の姿である赤き竜になり、建物の屋根を突き破りその姿を現した。

  

 「アーロイ様離れてください」

 ウィリーさんがアーロイさんに下がるように言うが、アーロイは余裕綽々の様子で言った。


 「まさか今日という1日に三匹続けて竜をみる事になろうとはな。

 だが驚きはせんぞ。この俺も竜になれるのだからな」

 すると次の瞬間、アーロイは姿を変えその体を黒竜へと変貌させた。


 「黒龍の恐ろしさお前に見せてくれる」


 赤い竜と黒い竜の身体がぶつかり合う。しかし力は男性であるアーロイの方が一枚上手で私はその体を押し出されてしまった。

 勝てないと悟った私は上空へと逃げだしサリサからの逃亡をはかった。

 サリサの外で待機していたリップ達が赤い竜を目撃する。


 「アサが出てきたぞ」

 ジョセが喜びの声をあげた。


 「あれがアサだって冗談はよせよ、真っ赤な竜じゃねーか」

 しかし喜びの束の間黒い竜がその後ろにいることに気づきジョセが焦り散らかす。


 「アサだけじゃない、黒龍も来てるぜ。リップ今すぐ全速力で逃げるよ」


 「くあーくあー」

 リップは了解して直ぐ様その場を離れた。


 私はスピードでアーロイを突き放すことが出来たが、このままリップがまた彼らに捕まってしまう。

 私は一か八かで黒竜に向かって牙を向け噛みつこうしたが、逆に鋭く伸びた爪に裂かれ私はコントロールを失い地面に落ちてゆく。その中で体が人の姿に戻った。

  

 「リップ、アサを回収!!」

 ジョセがリップに指示を送り、見事リップは背中で私を回収しジョセとミコットさんが私をキャッチした。


 黒竜が諦めずリップを捕まえようと迫ってくる。

 するとジョセは弓をかませ矢アーロイに向かって放った。顔に突き刺さった矢対したダメージにはならなかったが、効果を発揮するのはここからだった。刺さった矢は時間差で爆発したのだ。


 「どうだ私の爆裂矢は」

 黒竜にダメージを与えるまでにはならなかったが目眩ましにはなり、リップその隙に全速力で距離を離した。


 「少し左にそれてくれ、この先にマカの村がある」

 ミコットさんがマカの村を案内した。


 マカの村に近づくとマカから一斉に黒竜に向け無数の火の矢飛んできた。

 黒竜もこれには悲鳴をあげ退避して戻っていった。

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