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第1話 旅立ちの日に

 春の朝、私の自宅にて。


 「いただきます」

  私とお父さんが両手を合わせ言った。

 テーブルには色とりどりの料理が並べられている。


 「たーんと召し上がれ」

  お母さんはまだスープの支度があり、スープをコトコトと煮立て、底が焦げないようにお玉で回した。

 私の好きなカボチャとコーンのクリームスープだ。

 なんでこんなに至らせ付くせりなのかって?だって今日は特別な日ですもの。


 20歳の春、4月1日、私がカイトと旅立つ日だ。

 最後に食べれるお母さんの手料理ということで、私の好物が並んだというわけだ。朝からこんな豪華な食事を食べれるのは生まれてはじめてのことだ。

 夕食の芽にのようで外が明るいのがなんだか違和感全開。

 それは昨日の夜もだ。今日のために食材を使わなかったせいで、本当に質素な漬け物にご飯だった。それでも明日のことを思えば暗い気持ちにはならなかったけれど。


 締めスープを飲み、高まった気持ち落ち着かせた。


 「アサすっかりたいらげたわね。旅の出発からこんなに食べて大丈夫だった?」


 「お母さんったら、3年前と違って徒歩で行くわけじゃないのよ。私には頼れる相棒のリップがいるの」


 「そうね。ボーイフレンドもいるしね」


 その言葉にお茶拭きだし、私は顔を赤くして弁明した。

 「カイトとはなんでもないんだから、ただペンダントを返してもらうついででーー」


 「はいはい、わかりました」

 お母さんがそれ以上は聞きませんと、言わんばかりに言葉を遮った。

 私のことからかってるんだわお母さんったら。私はコップに口をつけ子供のよにブクブクさせ、分かりやすくすねた。


 「リップもすっかり大きくなったんじゃないのか?」

 お父さんが気を使ってくれて話題を変えてくれた。


 「そうね、ジョセとの相性もいいみたいで、体も大きくなったし、なにより精神的に成長した思う。カイトだけじゃなくリップに会うのが楽しみ」

 リップは今日ジョセが私の元に連れてきてくれる事になってる。私がカルーモに行っても良かったのだけれど、リップに乗ればひとっ飛びだからと、ジョセが来てくれる事になった。


 「アサ、あなたは気づいてないかもしれないけど、あなたもこの3年間で立派に育ったわよ。すっかり私の身長を超えちゃって」


 「お母さん」

 私は立ち上がりお母さんに抱きついた。


 「でも私はまだお母さんに甘えていたい」


 「あらあら」


 「いいでしょ?今日だけは。これから当分会えなくなるんだから」


 「そうね、お父さんもいらっしゃい」


 「そうだな」

 お父さんも交え私は輪をつくるように抱きしめあった。

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