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第31話 ルヴィーさんの思惑

 お母さんは馬車に揺られ、そろそろ第一の村カルーモに近付きつつあった。

 馬車の運転手が雨が降る中、お母さんに話しかけた。

 「最近雨が多いですな。台風でも近づいているのでしょうかね」


 「運転手さん、あんまり不吉なこと言わないでください」

 お母さんが言い、視線を下げると右側のシート足元に封筒が落ちてるのを見つけた。宛先も宛名もないが血の擦れた痕がわずかに残っており、お母さんはこれはお父さんの血ではないかと思い、運転手に黙って中を開いた。


 そこにはハイム城宛の住所がしるされ、アサにメッセージあるのならそこに送れというものだった。最後に書かれた差出人の名前。


 「ルヴィー……」

 お母さんは運転手にも聞こえない声でそう呟いた。


 「運転手さん途中通る村に少し寄ってもらっていいですか?」


 「困りますよ、寄り道は。私も早くルドワンの帰らなきゃならないんですから」


 「手紙を送りたいだけなんです」


 

 運転手もそれならと「わかりましたよ、どのみちトイレ休憩は必要でしょうしね」


 「ありがとうござます」

 次に通るであろうカルーモ、そこまでの間にお母さんは疲れてるだろうに一睡もすることなく私に宛てた手紙を書き始めた。



 その頃バルセルラでは、ルドワンから馬を走らせたルヴィーさんがバルセルラの中心にあるハイム城へ到着し、門番の兵士二人が出迎えた。


 「ここより先は許可証の提示をお願いします」

 兵士に言われルヴィーさんは愛想悪く無言で兵士達に許可証を見せた。しかしーー


 「こちらは期限がもう過ぎています。更新の手続きは本日は終了しているのでまた明日の朝に来てください」


 「陛下に急ぎの用なんだ、お前らの上官に繋いでくれ。ルヴィー中佐だと言えば分かるはずだ」


 「わかりました」

 兵士が通信機で上官に連絡を取り、ルヴィーさんの名前を伝えるとすぐに返事がかえってきた。


 「ルヴィーだと。よしかわれ」


 「バルバロス大佐です、どうぞ」

 ルヴィーさんに通信機が渡される。バルバロス大佐と言われルヴィーさんは顔をしかめた。その名前をルヴィーさんがよく知っていたからだ。


 「ルヴィー中佐です」 

 ルヴィーさんが名乗るとバルバロスさんは怒号のきいた声でルヴィーさんに言った。

 「ルヴィー、貴様今更何しにここにきた」


 「今問題になってる龍に関して陛下に直々伝えしたいことがあるのです」


 「ルヴィー残念だが、龍なら我ら軍がもう追い詰めておる。明日には龍討伐の知らせがくるだろう」


「おールヴィーとな」

 バルバロスさんの隣に居合わせた国王陛下が、久しいルヴィーさんの名前を聞き興奮気味にバルバロスさんに近寄る。


「バルバロス隣に陛下がいるのか?」


「陛下は忙しいのだ、お前の相手などしてる暇はーー」

 声を荒げるバルバロスさんに陛下は「バルバ

ロスよいではないか」と通信機を取り上げた。


 「ルヴィーよ。お前が来たということはそれなりの手土産はあるのだろう?」


 「勿論でございます陛下」


 「よろしい」

 そういい陛下は通信機をバルバロスさんにかえし言った。

 「ルヴィーをここまで案内させろ」

 バルバボスさんは陛下の指示に従い門番の部下の一人に陛下の元まで連れてくるよう指示した。


そして兵士に連れられて王室の間に通されたルヴィーさん。


「ルヴィー中佐ただいま戻りました」


「久しいなルヴィー、それでは話を聞こうじゃないか?」


「陛下は龍を討伐したいのでしょう。それならアジトを根絶やしにするのが一番かと」


「あの1頭の他にまだおるというのか?」


 「その通りです。もし今回現れた龍を退治したとしても、我らの脅威は消え去りません。またバルセルラに向けて龍を送り込んでくるでしょう。次もまた一頭とは限りません。ならばこちらから先手を打つべきです」


 「しかし奴らのアジトの宛はついておるのか?」


 「まだ私にも分かりません。しかし居場所を知る鍵がこの城にあります。

エルモ村の徴税の際に赤いイヤリングを差し出した者がいます。それが龍のアジトを指し示す鍵なのです」


 「エルモ村を徴税に行ったのはベへット少佐ですな」

 バルロボスさんが言った。


 「では後程参りましょう。イヤリングは2つあります。もう1つはアサという少女が持っています。彼女は近いうちに必ずにここに現れるでしょう。彼女がハイム城を訪れることがあれば、ここに通すようお願いします」


 「バルバロス門番に伝えておくれ」


 「はっ」

 バルバロスさんは敬礼し部下にアサの名を伝えた。





 その頃私達はそれからも雨の豪雨の中、マリクル山脈上を目指した。その道中でリップが砲弾が打たれる前に自身の石に光の通知が届いたことを私に打ち明けた。


 「本当なのリップ」


 「プゥーフゥー」

 リップ飛びながら深く頷く。


 「じゃーもう光が届く距離なんだ、後はお母さん次第か」

 そう口にすると前方から光が伸びてきた。

 リップのお母さんに私の声が届いたの?

 そして何より驚いたのはその光が私の元に届いたということだ。


 「なんだこの光は」

カイトが驚き動揺する。


 「心配しないでカイトこれは攻撃の意思じゃないわ。この光は龍がわたしたちを招いている」


 「なんだって」

 カイトも驚き隠せない様子。


 光に従って進んでいく。リップの母親の住み処とおぼしき場所に出た。


 穴蔵だ。リップに初めて会った時と同じ、リップがいた穴蔵よりずっと立派だけどきっとお母さんはここにいる。

私は覚悟決めた。


「いくわよ」


 カイトをみると見事にライフルを構え甲冑をおろし完全なる武装体制⁉

 「イエッサー」

 甲冑をコツンたたき、防御力がなさそうな布の靴をおもっきし踏んづけてやった。


 「くー、なにすんだよー」

 カイトも竜の目前とあってか叫びたいであろう声をおし殺して言った


 「あんたそんな物騒なものしまいなさいよ。絶対に敵意をみせてはダメ」

 リップがカイトからライフル奪い去り崖底へと落としてしまった。


 「なんつーことしやがる。もうどうなってもしらねーぞ」

 そしてリップが私のリュックに潜りこんだ。


 「大丈夫、龍は私達がリップを連れて来てること知っている。私達が誠意を見せれば襲ってくることはないはず」


 「おい本当に大丈夫なんだろうな」

 半信半疑なカイト。まぁ事情を知らないカイトじゃ無理もないだろう。


 入り口から数歩進み自宅に足を踏み入れる許可を頂いたことを確認すると、私はリップを呼んだ。

 リップがリュックから出て、私の胸に飛び込み、抱きかかえると私はリップを足元に下ろした。


 「リップほら歩いて、あなたの無事をお母さんにしらせなきゃ」

 リップはペタペタと歩いていきそのままお母さんの元へ飛びさっていった。


 「お母さん?そいつ竜だったのか」

カイトが今になってようやく気が付いた。


 「あなたが鈍感なのよ、翼の生えたトカゲなんてみたことある?」


 「いや俺は生き物にはうといんだよ」

 その時風が前方から勢いよく拭いてきた。とても自然な吹きかたじゃない。

はじめこそ驚いたが、これもあのときに体験してるから、私には意味がわかった。


 「呼ばれてるわ、私達もいくわよ」

 カイトに私は冷静に言った。

カイトは躊躇したが先に進む私をみて一人になることを不安に思ったのか私に庇ってもらうかのようについてきた。


 「ちょっと待てって」

 進んだ先にはひらけた場所がみえ、中央には木の枝が積まれ炎が灯っている。そこには焚き火で体を温めるリップの姿があった。そしてそれのさらに奥の暗闇に大きな竜の影がうっすらと、こちろをのぞきこんでいた。


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