第12話 出発、旅のはじまり
「リップったら甘えん坊なんだから、ほーら高い高い」
「はははは」
リップを高らかにあげその場でくるりとまわった。
「ほらここに入ってごらん」
私はリュックの口を開き、リップ入るよう促した。するとリップは少し躊躇してるで悲しそうな声で泣いた。暗くて狭い所が恐いのかな?はじめてリップにあった場所、あの暗い洞窟に一人取り残された事トラウマになってるのかもしれない。
「大丈夫閉じ込めりしないから。私がついてるから」
私が手を指し述べるとリップは、恐る恐ると私の手に捕まり、私はゆっくりとリップをリュックの中へ導いた。
「ほらこれなら全然苦しくないでしょ、知らない人がきたらすぐ頭を引っ込めるのよ。少し練習してみようか」
リップはリュックの口から顔を覗かせ、もぐら叩きの要領で私が振り返る度に顔をリュックに沈めた。
「ほらもう一回」
結局押し入れから出てきたものは、このリュックと懐中電灯、替えの衣類等、雨合羽そして折りたたみ式の簡易のテントも見つかった。
お母さんとお父さんはまだ起きてるから、出発は二人が寝静まる1時に予定しておく。
時間に余裕があったので他に何が必要か考え、紙に書き出すことにした。家にないもので必要なものはお金をだして買うしかない。
「あっ替えの電池も必要ね」
コンコン。
ノックの音がきこえ、扉腰に声が聞こえた。
「アサ起きてる?」
声の持ち主はお母さんだ。
「うん、まだ起きてるよ」
いつもならここでお母さんはドアを開ける所だが、今日は鍵を閉めてるのでお母さんは入ってこれない。喧嘩をした時によくあることなのでお母さんも特には疑ってこないだろう。
「お母さんさっきは少しきつく言いすぎたわ。あなたの気持ちは痛いほどわかる。リップをあれほど可愛がってたんだもの。でもお父さんの言ってることもわかって、お父さんも辛いのよ。後はリップの力を信じましょう」
「うん分かってるよ。リップもたくましく育ったものね。ちゃんと連れていくから心配しないで、明日朝早いからもう寝るよ」
「うん、わかった」
お母さんは安心したようだった。でも私は嘘を着いてる、明日お母さんの悲しむ姿考えるとと悲しい気持ちになった。
「おやすみアサ愛してるわ」
「私も」
その言葉が余計に私の心に突き刺さり心が苦しくなった。
お母さんの足音が聞こえ、部屋に戻っていったようだ
私はメモ書きに目を移し続きを書きはじめようとしたが途中で指をとめた。
隣の空白のページをみつめ、ペンをそちらに移し、ペンをはしらせた。
お母さん嘘ついてごめんなさい。私はリップのお母さんを探しにいこうとおもいます。
王都の竜の騒動を納めるためにも、こうするのが1番だと思う。数日間家を空けることになりますがどうかまがままの娘を許して下さい。
お母さん、お父さん愛してる。お父さんどうか私を探さないでください。
「よしっと」
私はそのページを切り下りリュックに入れた。
「後は………お金」
私は机の引き出しからがまぐちの小さな財布を手に取った。軽く振ってみると、小銭のチャリンチャリンという音が聞こえた。
これでもお母さんのもらったおこずかいはこつこつ貯めていた。
小銭ばかりで細かいがざっと3万ミラくらいはあるだろう。
それと私は棚の上にあった豚の貯金箱ももしものために持っていくことにした。
これで私の部屋から持っていくもの全て持てたと思う。後はもう少し夜が更けるのを待とう。私は目覚ましをセットし、わずかながらだが仮眠をとることにした。
目覚ましがなり、私は目をあけた。疲れをとるつもりで寝たがひどく目覚めは悪い。真っ先に顔を洗いたかったが大きな音を出してはお母さんが起きてしまう。
「次は食料品、リップ一階に下りるよ」
私はリップを肩にのせ台所に向かった。日持ちのする缶詰と乾物を少々拝借し、それと歯ブラシ、はし、コップ、乾電池、その他消耗品。
「こんなものかな」
私はメモに書きを一通り目を通し忘れ物がないことを確認すると玄関に向かった。
「よし、いこっかリップ」
すると玄関に進もうとする私をリップは髪を引っ張って制止した「くーくー」忘れてるリップはそういった。
「あーそうだ、忘れてた」
私はリュックからお父さんとお母さん向けた手紙を机に置いた。
「お母さん、お父さんいってきます」
私はリップにも届かないくらい小さな声で言った。
そして開いた扉をゆっくり閉めた。
外は涼しく天気も良好だ星空を見る限り明日晴れだろう。不謹慎かもしれない私は少しワクワクしていた。
「リップこれからお母さんを探す旅に出るけど、一つだけ約束して」
「くあ?」
「どんなときでも勝手に私から離れちゃだめだからね」




