第80話:戦慄のメガフューチャー計画!ラウズ要塞を攻略せよ!④
感想や評価、ブックマークも大歓迎です!
キルマ「父さんの計画を、僕が止める!」
死んだ自分の父が立案し、ラウズ帝国が行おうとしているメガフューチャー計画を阻止することを改めて決意するキルマ。
するとその時、巨大催眠装置から、音声が流れ出した。
音声「音声パスワード確認。コチラノ装置ノ自爆プログラムガ作動シマシタ。爆発マデ残リ5分デス。」
キルマ「えっ…!?」
ミラージュ「何だと!?」
なんと巨大催眠装置は、まもなく自爆することを告げ始めた。
急なことを聞き、アレックスとキルマはもちろん、本作戦の最高指揮官であるミラージュオクトパスすらも驚いていた。
キルマ「一体どうして…?」
アレックス「困惑するのは後回しだ! 自爆しないうちにヤツとの決着を付けるぞ!」
ミラージュオクトパス「わ、分かった!」
急な状況でも冷静さを失ってないアレックスは、キルマと共に、ミラージュオクトパスとの最後の戦いを挑んでいった。
アレックスはサンダーロシュフォールによる雷の斬撃、キルマは炎の剣による斬撃で、ミラージュオクトパスを手こずらせた。
だが対するミラージュオクトパスも4本の腕を生かした格闘攻撃や手のひらから発射したビームで応戦した。
戦いを繰り広げている間にも催眠装置が自爆するタイムリミットは刻一刻と近づいていく。
アレックス「このままでは決着が付かないな…!」
キルマ「アレックス、僕の剣も使ってくれ! 僕の全魔力を君に託す!」
アレックス「君の想い、しかと受け取った!」
キルマは自分の炎の剣をアレックスに投げ渡した。
右手の炎の剣、左のサンダーロシュフォールを構えた。
アレックス「電炎大車輪斬り!!」
アレックスは体をコマのように高速回転させ、雷と炎の回転斬りをミラージュオクトパス目掛けて炸裂した。
ミラージュオクトパス「ぐおっ!」
アレックスとキルマの友情の一撃をくらい、吹き飛ばされたミラージュオクトパスは、そのまま背後の催眠装置に衝突。
その反動で催眠装置のあちこちに電流が走り、予定時間より早く爆発を起こそうとしていた。
キルマ「まずい! 装置が爆発する!」
アレックス「脱出するぞ、キルマ!」
催眠装置の自爆から免れるために、アレックス達はすぐさま走り出し、部屋を後にした。
ミラージュオクトパス「やはり順調な時こそより気を引け締めなければならなかったか…。無念…」
アレックス達が部屋を後にし、ミラージュオクトパスがそうつぶやいた直後、催眠装置は自爆し始め、ミラージュオクトパスもその爆炎に包まれ死亡した。
キルマ「そういえば、どうして急に催眠装置の自爆機能が作動したんだろう?」
走りながらさきほどことを再び疑問に思うキルマ。
となりで同じく走っているアレックスはこう述べた。
アレックス「おそらく君が国王の意見に賛同しきれず、計画を止めること想定し、音声認証を用いた自爆プログラムも取り入れたんだろう。そしてそれこそ、今回の計画に対する、国王のわずかな迷い!」
キルマ「それじゃあ父さんは、計画を実現させたかった反面、僕が次期国王にふさわしいかどうか、見極めようとしてたってこと!?」
アレックス「そう考えるのが妥当だろう」
キルマ「父さんは心の中で葛藤してたんだね…。子供達を国の平和のために利用したいという自分の悪魔に…」
キルマは悲しい目をしながらそうつぶやいた。
そしてしばらく走っているうちに、アレックスとキルマは、フィガロ達と無事再会できた。
どうやら帝国の刺客達との戦いは辛くも勝利に収めたようである。
フィガロ「あっ! 隊長とキルマ王子!」
ロビン「お〜い!」
スマ「お兄様!」
ボブ「王子、ご無事でしたか!」
キルマ「この要塞はもうすぐ崩壊する! 急いで脱出しよう!」
全員合流し、アレックス達は一目散に走り、要塞からの脱出に成功した。
そして要塞のある洞窟は、その岩山もろとも大爆発し、粉々に砕け散っていった。
その光景を離れたところから目撃するアレックス達。
その後、催眠装置の呪縛からの解放された社長を含めたハピナコーポレーションの社員達、さらに猫人族の女性社員のミハネと社長令嬢のアミィは、アレックス達にお礼を述べた。
社長「キルマ王子、それにレジスタンスのみなさん、この度は私達を救ってくださりありがとうございました!」
アレックス「いえ、当然のことをしたまでです」
ミハネ「皆様には本当に感謝してます!」
アミィ「パパ達を助けてくれてありがとう!」
社長達の感謝の気持ちを聞いた後、キルマは凛々しい目つきで空を見上げてながら、心の中でこうつぶやいた。
キルマの心の声「父さん…この国の平和のために子供達の未来を奪おうとしたあなたを、僕は許せないかもしれない…。それでも僕は父さんの分まで、この国の平和のために全力を尽くします!」
こうして、アレックスとキルマ達の奮闘により、少年少女を洗脳し戦力に加えるメガフューチャー計画は防がれた。
その代償に、アサクボ王国の歪んだ部分が明らかになったのは痛手ではあるものの、きっとそれに屈しなかったキルマなら、アサクボ王国の人々を明るい未来へと導くことができるであろう。
つづく
ちなみにその後、アレックスの頼みにより、キルマやボブ達も、ラウズ帝国との最終決戦にも参加することを誓ったのは、また別のお話。
さて次回からイヌゴリラやパズー視点のお話に移ります!




