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異世界熱血無双グレートパラディン【連載版】  作者: そうくん
第3章:新たなる転生者!レジスタンス団結計画!(アサクボ王国編)
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第75話:アサクボ兄妹との再会!中立国家に潜む陰謀とは!?③

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 ラウズ帝国が行うとしているメガフューチャー計画のさらなる情報を入手すべく、密かに帝国と手を組んでいる玩具系大企業がんぐけいだいきぎょうハピナコーポレーションに潜入したアレックス、キルマ、ボブの3人。

 だがその最中、謎の少女が現れ、手に持っている杖から電撃を発射し、3人に襲いかかってきた。


少女「……」


キルマ「やめてくれ! 僕らは君と戦いたくない!」


アレックス「無駄だキルマ! おそらくあの子は何者かに操られているんだ! 侵入者を襲うようにと!」


ボブ「言われてみれば確かに様子がおかしいなぁ!」



 少女が何者かに操られ、正気を失っていることに気づくアレックス。

 さらに彼女の胸に怪しげな缶バッチが付いていることにも気づき始めた。


アレックスの心の声「あの缶バッジ、何か変だ。よし!」


 そう心の中でつぶやいた後、アレックスは猛スピードで少女目掛けて走り出し、電撃を発射される前にジャンプをし、回し蹴りを炸裂し、少女の手から杖を吹き飛ばした。

 さらにアレックスは、杖を失い丸越しになった少女の服に付いている缶バッジを引きちぎることに成功した。

 すると少女は目を閉じ、体の力がかなり抜けたかのようにひざから地面へと崩れ落ちた。



アレックス「大丈夫か!?」


少女「あれ…? 私、何やってたの? お兄ちゃんは?」


 アレックスの声に目を覚ます少女。

 正気は取り戻したものの、アレックス達を襲ったことは覚えていないようだ。


少女「あれ!? キルマ王子も!?」


キルマ「覚えてないかもしれないけど、君は操られていたんだ」


少女「操られて…。あ、思い出した! パパの最近変なの!」


アレックス「パパ? 君のパパもこの会社で働いているのかい?」


少女「うん! パパはこの会社の社長なんだよ!」


キルマ「てことは君はハピナコーポレーションの社長令嬢!」


少女「パパの様子が変だから、会社に入ったら、変な虫に捕まって…」


アレックスの心の声「それで操られてしまったというわけか」


少女「お願い! パパや会社のみんなを助けてください!」


アレックス「安心してくれ! 君のパパ達は必ず救ってみせる! だから君は家に帰っていてくれ!」



 ハピナコーポレーション社長の娘・アミィは、アレックス達に父や社員の救出を託し、本社ビルを後にした。

 去っていくアミィを優しい眼差しで見つめるアレックス。


キルマ「それにしてもやっぱりアレックスはすごいね! アミィちゃんが操られている証拠を見抜いちゃうなんて!」


 キルマに褒められるものの、アミィの服から取った缶バッジを不安そうに見つめるアレックス。


アレックス「だが妙だ。こんな缶バッジ1つで操れるとは思えない。おそらく本体があるはずだ! 調査を続けよう!」


キルマ「うん!」


ボブ「了解した!」





 〈ハピナコーポレーション おもちゃ貯蔵室ちょぞうしつ


 ハピナコーポレーションに潜入して10分ほど立ち、本社選りすぐりのおもちゃが大量にある部屋へとたどり着いたアレックス達。

 アレックス、そしてキルマとボブの二手に分かれて広い貯蔵室の捜査を開始した。


ボブ「さすがは世界トップクラスの玩具系大企業! 武器職人もデザインに加わっているとはいえ、クオリティの高いおもちゃがわんさかありますなぁ!」


キルマ「あぁ。まるで本物の武器みたいだね」


 ハピナコーポレーションの武器のおもちゃのクオリティに改めて魅了されるキルマとボブ。

 するとそこへ、チラシや資料のように物を持ったアレックスが合流してきた。



アレックス「いや、これらはおもちゃであっておもちゃじゃない。昨日は一時的に低下してるものの、紛れもなく武器だ! アミィが使ってた稲妻の杖もその1つに過ぎない!」


ボブ「なんだと!?」


キルマ「じゃあ帝国は本物の武器を子供達に売ろうとしてたの!?」


アレックス「あぁ。次にこのチラシ、この貯蔵室のおもちゃの宣伝と例の缶バッジのことが書いてある」



 そのチラシをキルマ達に見せるアレックス。

 チラシにはこう書いてあった。





 ハピナコーポレーションのリニューアルホビー、近日発売!

 リアルな感覚を君の手に!

 今なら新商品1点以上お買い上げに方に、特製缶バッジを無料配布!





 さらに資料の方も手渡したアレックス。

 その内容にキルマ達は驚いた。


ボブ「これは…! 巨大催眠装置の設計資料!? 帝国はまさか!」


アレックス「この催眠装置を使い、おもちゃと缶バッジを手にした子供を操り、戦力を拡大していく…。これがメガフューチャー計画の手口だったんだ!」


キルマ「ひ、ひどすぎる…!」




 アレックスはメガフューチャー計画に関する見解をキルマ達に述べた。


アレックス「しかもどの商品の値段も従来のに比べて5分の1ほどだ! 高い方でもコミック雑誌感覚で買えてしまうほど安くなっている! サイマジワールドに存在するほとんどの子供は目を光らせながら買ってしまうだろう!」


ボブ「なるほど! そしておまけの缶バッジは、催眠装置から発する催眠電波をキャッチするための受信機の役割を果たしているというわけか!」


キルマ「確かこの会社のゲーム開発部には、優秀なプログラマーも所属しているから、これほど高度な催眠装置を開発できるのも不可能なことじゃないか…!」



 キルマが巨大催眠装置の設計資料を読み漁っていくと、こんなことが書いてあった。

 催眠装置によって洗脳された子供達が、「ラウズ帝国に栄光あれ。バヌー女王陛下、万歳」とつぶやくことで、本計画に使用されているおもちゃの武器は機能を最大限に発揮し、本来の強力な武器へと変わる。と。




???「君達、そこで何をしている!?」


 するとそこへ、1人の中年男性が現れた。

 なんと彼こそがハピナコーポレーションの社長であり、アミィの父親である。

 しかも服にはさっきのアミィ同様、計画に使用される缶バッジが付いていた。


キルマ「あれは、ハピナコーポレーションの社長!」


アレックス「あの缶バッジ…。どうやら彼も操られているみたいだな」


社長「セミバブラー様! 侵入者を見つけました!」



 社長がそう叫ぶと、セミ型の人造モンスター・セミバブラーが飛んでやって来た。


セミバブラー「ミーンミンミン! この部屋に入ったからには、貴様らには死んでもらうミン!」


アレックス「なるほど、アミィが言ってた変な虫はお前のことか!」


セミバブラー「ムキ〜! 変な虫だと〜! オイラもう怒ったミン! 覚悟するミン!」


 果たしてアレックス達はセミバブラーを倒し、社長達を救うことができるのであろうか?





 つづく




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