第72話:ミチル救出不可能!?恐るべき強制憑依魔法!④
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サンキス「ブラァ〜〜〜〜〜!!」
強制憑依魔法の1つ・スペクターユナイトを発動し、配下の人造モンスターの亡霊をその身に宿したサンキスは、巨大な異形の怪物へと変貌を遂げた。
そんな彼の荒々しい雄叫びが、夜のタンリオシティーに響き渡った。
チルチル「今度はバケモノになっちゃった!」
チロ「しつこいヤツだなまったく!」
チレット「それに理性も失われているみたい」
イサミ「おそらくそのスペクターユナイトを発動した反動かもしれないね」
ヒロシ「ともかく今度こそ決着を付けてやる! この町をめちゃくちゃにはさせないぜ!」
ミチル「待って! 私も戦う…!」
するとそこへ、サンキスのマリオネットユナイトから解放され、フラフラになっているミチルが戦いたいと申し出た。
チロ「その体じゃ無理だ!」
チレット「ミチルちゃんは休んでて!」
ミチル「私は大丈夫…! 私もチルチル達と過ごしたこの町を守りたいの!」
チルチル「ミチル…。分かった! とにかくやれるところまで一緒に戦おう!」
チロ「そこまで言われちゃ仕方ねぇ! 最後まで付き合ってやるか!」
チレット「そうね! 町も思い出も、そして私達の絆を守るために!」
こうして、巨大化し、恐ろしい怪物へと化したサンキスに最後の戦いを挑むヒロシ達。
ヒロシやイサミ達はそれぞれの属聖剣を使いこなし、代わる代わるの斬撃をサンキスに仕掛けた。
ミチル「憑依! ミラクルユナイト!!」
一方のミチルも、ファンタジアキッドの仲間とミラクルユナイトし、ヒロシ達をサポートした。
まずはチロとユナイトしたドッグフォルムによる炎の剣術を豪快に繰り出し、
次にチレットとユナイトしたキャットフォルムによる華麗な魔法を発射し、
さらにチルチルとユナイトしたバードフォルムによる強力な空気弾の射撃を連射した。
サンキス「ベラ〜〜〜〜〜!!」
だがヒロシ達の攻撃を次々とくらっているにもかかわらず、スペクターユナイトを発動したサンキスには大したダメージにはならなかった。
サンキスは反撃として、口から破壊光線を横線を描くように発射し、ヒロシ達を吹き飛ばした。
ヒロシ「うへ〜! あんなに攻撃くらってるのに、まだあんなスゲービーム出しやがるぜ!」
レイニャ「タフさもアップしてるみたいですね!」
サンキスの恐るべきパワーと防御力に追い詰められるヒロシ達。
するとチルチルとユナイトしているミチルがこんな提案をしてきた。
ミチル、チルチル「みんな! 一か八かだけど、アイツを倒す方法がある! 僕達4人の魔力を集めたマックスパワーの空気撃ちなら、いくらアイツがタフすぎてもなんとかなるかもしれない! その間、君達5人で時間を稼いでくれない?」
ヒロシ「あぁ、もちろんだ!」
マミ「期待してるわよ、ファンタジアキッドのみんな!」
イサミ「それじゃあ行こうかみんな!」
ヒロシ、マミ、レイニャ、マリン「OK!!」
ファンタジアキッド最後の攻撃を発動させるため、時間稼ぎとして5人でサンキスに立ち向かうヒロシやイサミ達。
その間、チロとチレットは、自分達の全魔力を、ミチルの持っているバードボウガンに注いでいた。
そしてミチルと憑依しているチルチルも、ボウガンに魔力を集中していた。
マミ「超速乱舞!!」
マミは目にも止まらぬ超スピードを活かしたストームダルタニアンの連続斬りを炸裂した。
レイニャ「シャイニングビーム・最大パワー!!」
マリン「アイスソードイリュージョン!!」
次にレイニャは指から黄金のこんしんビーム、マリンはアイスジュリエットで召喚した無数の氷の剣を一斉にサンキス目掛けて打ち出した。
イサミ「友情の力なら!」
ヒロシ「オレらだって負けてないぜ!」
ヒロシ、イサミ「ツインバハムートマキシマム!!」
さらにヒロシとイサミも、バハムートブラザーズとしてヴァージョンアップしたフレイムアトスとドラゴニックロミオから同時に発射された破壊光線をサンキスに炸裂し、大ダメージを与えた。
サンキス「ブラ〜〜〜〜〜!!」
イサミ「いいぞ! さすがのサンキスも大分弱ってきている!」
ヒロシ「おーい! 撃つなら今だぞ〜!」
ヒロシが後ろを振り向くと、ミチルの持っているバードボウガンに集中した魔力が十分に溜まり、発射準備が完了したようである。
チロ「待たせたなぁ!」
チレット「こっちは準備OKよ!」
マリン「待ってました!」
ミチル、チルチル「くらえサンキス! バードボウガン!!」
ミチル、チルチル、チロ、チレット「友情のマックス撃ち!!」
ついにファンタジアキッド全員の魔力を込めた、虹色に輝く針状の空気弾がバードボウガンから発射され、サンキスの胸部を貫いた。
サンキス「ぐわ〜〜〜〜〜!!」
サンキスは悲鳴を上げた直後、そのまま爆発四散した。
そしてサンキスの敗北と共に、タンリオシティーに朝日の光が照らし始めた。
まるでヒロシ達とファンタジアキッドの勝利を祝福するかのように。
ミチル、チルチル「勝った…」
魔力を使い果たし、ミラクルユナイトが強制的に解け、元のチルチルとミチルに分離した。
魔力を使い果たし、疲れ果てたチルチル達4人に駆け寄るヒロシ達。
ヒロシ「4人共よくがんばったな!」
イサミ「最後の空気撃ち、素晴らしかったよ!」
チルチル「なんせ僕らの想い込めた切り札だからね」
ミチル「みんな、私と一緒に戦ってくれてありがとう!」
ミチルは満面の笑顔で一同にお礼を言った。
チロ「当たり前だろ!」
チレット「私達はずっと仲間だからね、ミチルちゃん!」
チルチル「これからもよろしくね、ミチル!」
チルチル達3人も笑顔で、ミチルを改めて向かい入れた。
マミ「さて、お腹も空いたし、ビーグルに戻ってパン食べましょ!」
ヒロシ「賛成だぜ!」
チルチル「僕もお腹空いた〜!」
チロ「そんじゃさっそく帰ろうぜ! じっちゃんも心配してるだろうし!」
こうして、タンリオシティーを舞台にしたサンキス賢者戦隊との激戦は、ヒロシ達の勝利で幕を閉じた。
ファンタジアキッドの4人による絆の力は、もうじき始まるラウズ帝国との最後の戦いでもきっと役立つであろう。
つづく
次回からアレックス視点のお話に突入します!




