第22話:5色の希望!残忍ゴルザ将軍を倒せ!②
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エルフの青年・アレックスは子供達を守り、
ホーストルーパー達に戦いを挑んでいた。
それを陰ながら見ているヒロシとパズー。
アレックス「トイヤっ!」
ホーストルーパー「ヒーン!」
アレックスはエルフガンナーズの頃から愛用してる細長い剣・エルフニックサーベルを華麗に使いこなし、
ホーストルーパーを次々となぎ払った。
アレックス「エレメンタルガトリング・サンダーシューティング!!」
さらにエレメンタルガトリングを装備するアレックス。
自分の雷の魔力を銃に込め、銃口から雷のエネルギー弾を連射し、残り3人のホーストルーパーを撃破した。
アレックス「サンダーロシュフォールを使うまでもなかったな…。」
子供「ありがとう、エルフのお兄ちゃん!」
アレックス「みんな、悪いヤツらはもうやっつけたから、安心してくれ。」
戦いが終わり、大喜びする子供達の前でのアレックスは、普段のクールな表情とは違い、優しい微笑みを見せていた。
そんなアレックスの前に、戦いを見ていたヒロシとパズーがやって来た。
ヒロシ「そんな優しい顔もできんだな。」
アレックス「ブレイブリーグの…!」
その後、ヒロシ、パズー、アレックス、さらに鳩のハロルドは、近くのベンチに座り、缶ジュースを飲みながら会話をしていた。ちなみにヒロシとパズーはコーラ、アレックスは緑茶、ハロルドはアイスココアを飲んでいる。
パズー「どうしてもダメなの?」
ヒロシ「お前めっちゃ強いから心強いのによ〜。」
アレックス「この間も言ったはずだ。君達と馴れ合うつもりはない。オレは自分のやり方で帝国と戦うとな。」
するとハロルドが悲しそうな顔で、ヒロシ達に向かってこう言った。
ハロルド「アレックスはこれ以上エルフガンナーズのみんなみたいな被害者を出したくないから、あえて君達を遠ざけているんだっポ!」
アレックス「おい、余計なこと言うな!」
パズー「やっぱりエルフガンナーズの壊滅がきっかけだったのか。」
ハロルドに本音を言われ、観念したアレックスは何故、
他人を頼らず、ラウズ帝国に立ち向かうのか、
その真意を話し始めた。
アレックスは戦闘の天才であり、中でも射撃が得意なエルフの冒険者であった。
彼は凶悪なラウズ帝国に対抗すべく、冒険者仲間を集め、メンバーの7人中5人がエルフであり、ハロルドも加えたレジスタンス・エルフガンナーズを結成したのである。
エルフガンナーズは優れた戦闘力と結束力を駆使し、
帝国の破壊活動から人々を守り続けてきたのである。
だがそんな彼らの天下に終止符をうつ事件が起こった。
ある夜、帝国との戦いの最中、
帝国所属の大型戦闘飛行船による援護により、
エルフガンナーズのメンバーは次々と殺され、
壊滅してしまったのだ。
かろうじてアレックスとハロルドは生き残ったものの、アレックスは仲間のほとんどを失い、
絶望し、以来誰にも頼らず、自分1人とハロルドだけで帝国と戦ってきたのである。
そんな戦いの中でサンダーロシュフォールに選ばれ、
今に至るという。
アレックス「確かに君達ブレイブリーグの一員になって戦うのも悪くないと思った。だがエルフガンナーズの仲間達を死なせてしまったオレに、君達と共に戦う刺客はないのかもしれない。これ以上、かけがえのない友を失いたくないんだ…。」
真実を話し終えたアレックスは、仲間を失った罪悪感で悲しみに沈んでいた。そんなアレックスに対し、
ヒロシはこう言った。
ヒロシ「お前って強いだけじゃなくて、すごく優しいんだな。殺されたエルフガンナーズの仲間はもちろん、会ったばかりのオレ達にまで想いやっているんだからよぉ。」
ヒロシは座っているベンチから立ち上がり、
話を続けた。
ヒロシ「でもだからこそ、オレ達のことをもっと信じてほしいんだ!たとえ帝国がどんなに恐ろしくても、この世界のみんなの笑顔のために、そしてオレ達を選んでくれた属聖剣の期待に応えるためにも、オレ達は最後まであきらめずに戦うだけさ!もちろんエルフガンナーズのみんなのためにもな!」
さらにパズーも立ち上がり、ヒロシに続き、
アレックスを励ました。
パズー「困ったことがあったら、いつでもオレ達を頼ってよ!アレックスが背負ってる悲しみも、オレ達も一緒に背負うからさ!」
アレックス「2人共…。」
するとそのとき、ヒロシのスマホが鳴り響いた。
どうやらエルから電話がきたようだ。
ヒロシ「もしもしエルさん?」
エル「ヒロシくん、捜索中に悪いけど、一大事よ!ゴルザ将軍が現れて、ブッチくん達がピンチなの!」
ヒロシ「なんだって!?」
エル「至急アキブクシティーに戻って来て!」
ヒロシ「イエス、ウィッチ!パズー、イヌゴリラ達がゴルザ将軍に苦戦してるらしい!アキブクシティーに戻るぞ!」
パズー「わ、分かった!」
ヒロシ「あ、そうだ!」
2人はブッチ達を助けるため、アキブクシティーに行こうとしていた。だがその前に、ヒロシはアレックスにこう言った。
ヒロシ「アレックス!すぐに答えは出さなくていい。本当の意味でお前と肩を並べて戦えるその時まで待ってるぜ!」
そう言い残し、ヒロシとパズーはジェットバイクに乗り、アレックスを後にした。
そして去っていくヒロシ達の後ろ姿を眺めながら、
アレックスはエルフガンナーズのみんなと笑い合い、
協力し合った日々を思い返していた。
その最中、アレックスは肩に乗っているハロルドに
こんな質問をした。
アレックス「ハロルド。今のオレのワガママを天国にいるみんなは許してくれると思うか?」
ハロルド「アレックスはエルフガンナーズの頼れる隊長だっポ!きっとみんなも受け入れてくれるっポ!」
アレックス「フッ…。そう言うと思ってたよ。」
一方、ヒロシとパズーは、風のごとく猛スピードでジェットバイクを飛ばし、アキブクシティーに近づいていた。恐るべき光景が、彼らに待ち受けているとも知らずに…。
つづく
次回、ゴルザ将軍の意外な秘密が明らかに!




