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神は御身の意思で天に橋を架けた。
子供の頃、故郷リパンドの街の風車からよく星を見上げた。
いつか七英雄に肩を並べる立派な剣士になるのだと信じて止まなかった。
煌めく星々に自分の夢を重ね、その遥かな距離に想いを馳せた。
ー少年が去った夜空に、赤光の凶星がたなびいた。
***
七英雄が堕ちた。彼の腹部は食いちぎられたように欠損していて、とめどなく溢れる血液は彼の生命がもうすぐ終わる事を示していた。王都は狂乱の限りで、あちこちから黒煙と炎が上がっている。
「……リア」
そう彼は呟いた。リパンドの幼馴染、大切な人。気がかりはそれだけで。ほぼ無意識の内に言葉が零れ出た。ー彼の意識はそこで途切れた。