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天国へ行くには異世界を救出してから  作者: ブルーのクローバー
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9.共生共存


【キュービ】


9つの尻尾をもつキツネ型モンスター。体長は2~3mほど。炎魔法を使うものが多い。縄張り意識が強く、10匹前後の群れで生息している。




そんな大きかったのか??一気に恐怖が強まる。キツネってだいたい小さいよなっていう常識はこっちの世界では通用しないことを再確認した。


目の前には8頭ほどのキュービが見える。どうやって仕掛けるか。



「デケェな・・・。どうしようか??」


「おう?そんなん、呼んだらいいんでねぇか??“おーい!!コサックさ、いんけー??”」


「んなっ!!!???」


トゥトゥの無警戒が発動。やっちまったな!!!なんてことだ。これは1から教えないといけない。


キュービの群れがこちらをにらみつける。想像以上の恐怖が押し寄せる。やばい、どうしようと冷や汗をかいているとキュービの群れから1頭こちらに近づいてきた。



「ほぅ・・・。我を呼ぶとは命知らずな。勝手にわれらのテリトリーに入っておいて、覚悟はできておるな??」



美しいキュービだ。他のキュービとは違い、圧倒的な毛並みというか輝きを放っている。こいつがコサックなのか?


困ったらとりあえず可視化だ!!






名前:コサック


種族:クイーンキュービ


スキル:炎魔法 (エスキル) 変身 (エスキル)  統治↑ (エスキル)  寂しがり (ウィキル)




【炎魔法】


炎関連の魔法が使える。水に弱い。真空状態では使えない。



【変身】


一度触れたものと同じ種族になることが出来る。別の種族に変身する場合は一度元の姿に戻る必要がある。



【寂しがり】


一人でいることが出来ない。たくさん仲間がいないと不安で夜も眠れない。








か、かわいい。。。クイーンで寂しがりとは・・・。急にコサックに対しての怖さがなくなった。


眠れないほどの寂しがり・・・。ふむ。。。



「突然の訪問となり大変申し訳御座いません。私はコロポックルを代表して参りました、ショウ・ロック・ホームズと申します。」


「ほう・・・。人間がコロポックルの代表とはこれ如何に??」


「はい。私は旅人をしておりまして、訳あって困っているところをコロポックル達に助けられました。その縁で本日参りました。」


「なるほど・・・。」



コサックは僕をじーっと見つめてくる。こちらの心を見透かすかのようだ。ここでひるんではダメだ。



「この辺りは元々、コロポックル達がキャロロを育てていた場所です。皆さんが一方的に占拠していい理由はないはずです。」


「・・・・・。」


「コロポックル達はキャロロを大切にしております。どうかこの場所を明け渡して頂くわけにはいかないでしょうか?」


「それはならぬ!!!!」



すごい威圧感だ。トゥトゥも無警戒とはいえ、がくがくふるえている。僕もこれ以上は立っていることすらもなかなか厳しい。



「貴様ら、勝手にやって来て、われらの土地を追い出そうというのか!!??」


「いや、ここはそもそも皆さんの土地では・・・。」


「ここを今テリトリーとしておるのは、われらキュービじゃ!!!」



圧に押されてしまう


しかしコサックが言うことは正しいかもしれない。


この世界では土地の所有権やそこに対する税金などはないだろう。とすれば、今住んでいる者が所有していると言っていい。


今の所、この世界においてはキュービ側が正しい。しかし、それでいいのだろうか?



「コロポックルがわれらよりも弱いのが問題であろう。人間よ、弱肉強食という言葉を知らぬか??」


「うぅぅぅぅ・・・・。」


トゥトゥが怒っている。しかし言い返せない。対してコサックは薄ら笑いを浮かべながらこちらを見ている。



「死にたくなければ、もう二度とこの土地に来るな!!去れ!!」


「ちょ、ちょっと待ってください!!ならば、交換というのはいかがでしょうか?」


「なにぃ~!!??交換とな・・・?」


「こちらをご覧ください。」


僕はしまっておいたポトトを取り出した。



「ん??なんじゃ、その野菜は?」


「これはコロポックル達の育てる野菜、ポトトというものです。」


「ふん、野菜など。我らにはキャロロが既にあるではないか。」


「コサック様がそう仰る通りです。しかし、ポトトとキャロロでは摂取できる栄養素が全く異なるのです!!」


「栄養素とはなんぞや?」



つまりはこういうことだ。


キャロロはにんじん、ポトトはじゃがいもと同様の栄養があるものだと仮定した場合、キャロロはカロテンが主で抗がん作用等…難しいので体内の調整を行う働きで、ポトトはでんぷん質が主・・・簡単にエネルギーと説明した。


体内調整とエネルギー摂取は片方だけでも意味がなく、両方行うことが重要である。


まぁ以前の知識だし、そんなに正しいものとは思えないが、だいたいそういうものだということにしよう。



「それに食べものの種類が増えることは、キュービ達にとってもプラスなはず。コロポックル達はポトトをキュービに提供する。キュービはキャロロをコロポックルに与える。悪くないのではないでしょうか?トゥトゥどうだ??」


「ポトトは大量にあるで、そんでキャロロ食べれんなら悪くねーと思う~。」


「そうか。これはコロポックルとキュービの“共生共存”だ!!」


「共生共存・・・。ふむ・・・。ちょっと待っておれ。」


コサックは群れのキュービ達と話し合う様だ。


長の一存で決定しないというのは、優れた統治者の証だ。


トゥトゥは僕の肩でまだ震えている。



3分程経っただろうか。コサックがこちらに近づいてきた。



「人間よ、おぬしの意見は分かった。確認したいことがある。コロポックルの長と話がしたい。よいか?」




交渉はとりあえず成功したようだ。



はぁ~戦闘が無くて助かったー。




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