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天国へ行くには異世界を救出してから  作者: ブルーのクローバー
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8.キュービを探して


朝になり、昨日の決意を村長に伝えた。


「村長。昨日の夜、トゥトゥからキャロロについて聞きました。僕がキュービをなんとかします!!」


「なんと!!!そなた、われらの為に・・・。よいのか??」


「はい。そのために僕はこの世界に来たんですから!!」


「じぃじ~。トゥトゥが案内で付いていくさね~。」


トゥトゥが案内役を買って出てくれた。コロボックル達のためというのもあるが、いち早くキャロロを手に入れたいのであろう。ちょっとよだれが・・・。


「トゥトゥまで!?そうか・・・。あい分かった。ステラ殿にお願いするとしよう。」


「任せてください!!早速行ってきます!!」


「う~ん?ショウさん、今は無理だど~??キュービは夜行性だで、今行っても仕方ねー。」


え??そうなの??


いきなり出鼻をくじかれた。それは知らなかった。恥ずかしい。というかトゥトゥも昨日のうちに教えてくれればよかったのに。



「ステラ殿。キュービのリーダーは確かコサックという名じゃ。そのものをどうにかすれば道は開けるであろう。」


「分かりました。」


「それと念のため、このアックルにある唯一の武器、短剣アイスピーをお持ちくだされ。」


「ありがとうございます。」



ぱっと見はただのアイスピックだ。どうやって使うのか。。。


ん??そういや、アイテムにもスキル可視化は使えるのか???物は試しでやってみよう。




【アイスピー (レア度:A-)】


アイスピック型の短剣。殺傷能力は低い。コロボックルが使うことで、雪魔法・氷魔法の効果が上がる。




みえた。可視化はかなり万能なスキルと言えるかもしれない。


それによく考えたら、今自分はコロポックルサイズになっているから、アイスピーがそれなりに手に収まっているが、この村を出て人間サイズになったらどうなるのか。


あとでトゥトゥに渡そう。



「では、夜に出発します。トゥトゥ、悪いけど道案内よろしくね。」


「あい~!!」


「頼みましたぞ。では夜まで儂とともに寝ることにしましょう。」


ロングスリーパーは何度も寝れるらしい。寝すぎるということはないらしい。


ちょっとうらやましい。。。





********************************************



夜になった。何時だかわからない。



「んだら、いきましょ~。アックルから歩いて1時間もしねぇとこにいるはずなんで―。」


「わかった。村長は・・・、寝ているのか。」


「寝坊助な村長なんでぇ~。」


とりあえず起こさないようにゆっくりと家をでる。



来たときは分からなかったが、雪を溶かした雪解け水をストックしている樽なども色々な場所に設置してある。


そしてポトトはこの街のいたるところで栽培されている。


この量があれば食糧難にも水不足にもはならなそうだ。


「あたす達は~雪魔法が使えるでー、保存には困らないんだぁ~。」


なるほど。冷蔵庫いらずというのはとてもいい。長旅になる可能性も否定できないので、ポトトを3つ程もらうことにした。


「特にアックルで買うものもねーから、さくっといきましょ~。」


「そうだな。よろしく頼むよ。」



僕とトゥトゥはアックルを旅立った。





******************************************




アックルを出て僕はバンダナを外すと、すぐさま人間サイズに戻った。なんとも不思議なアイテムだ。やはりこちらの方が目線的に落ち着く。




【コロポバンダナ】(レア度:不明)


コロポックルに伝わる魔法アイテム。着けている間だけコロポックルになれる。製作者不明。




誰が作ったのかがわからない、謎のアイテムだ。呪いのアイテムでなくてよかった。




「人間さんは~、やっぱし大っきいねー。あ、そんだー。ショウさん、あたすを肩にのせてくんろー?」


「え!?いいけど・・・。」


トゥトゥを両手ですくい、肩に乗せた。するとトゥトゥのオーラが僕の周りまでかこい、身近な雪が消えていた。これはすごい。歩くことにストレスが全くない。


「すごいぞ、トゥトゥ!!」


「あい~。くっついてるものの周りまで雪を自在に操れるんですー。それに、シュンさんに乗っかってっと、トゥトゥ歩かなくていーがらー。」


「・・・・・・。」


なるほど。無警戒ウィキルが発動したわけではなく、トゥトゥは結構現金主義なのかもしれない。


しかしメリット的には僕の方が大きい。いくら寒さを感じにくいと言っても、歩きやすさには影響しない。雪道を歩くのは一苦労だ。


このまま進もう。


おっと、その前にアイスピーを確認しよう。ポケットから取り出したアイスピーはやはり僕が持つには小さい。


これはトゥトゥに持たせよう。


「トゥトゥ。村長からもらったこれだけど、人間が使う武器ではないみたいだ。だから君が持っていてくれないか??」


「はぁ・・・。あたすは戦えねーけんど、そんでよければ持っときます~。」


トゥトゥにアイスピーを渡した。すると、僕らを包むオーラが大きくなり、半径10mくらいまで雪の無い状態となった。


「あんれ~?こんなにすげぇー武器さ、町にあったんだねー。トゥトゥもびっくりよぉ~。」


コロポックル専用武器であった。なのに村長は僕に渡してきた。なぜだろう・・・?



「あたす~、本当は世界の色んなとこさ、見て―んだ。んでも、コロポックルは雪がねーと生きてけねーから・・・。」


「そうだよな。結構コロポックルって生きるのも大変な種族だな。環境依存が強いというか・・・。」


「あぃ~。そうなんですー。旅はむずかしいんだ~。」


自由がない人生はつらい。その分安全安心な暮らしは約束されているとは言えるが、一歩踏み出してみたい気持ちはあるんだろう。



そんな感じでトゥトゥと話していると、森のような場所についた。


雪に囲まれてはいるものの、アックル周辺程雪が積もっておらず、地面からは見たことのない植物が生えていた。


「この先にキャロロが生えてるところがあって~、キュービがいると思うんだー。」


「そうか。ここからはゆっくり進もう。」


一歩一歩、様子を伺いながら進む。なるべく物音を立てない様に。ゆっくり、ゆっくりと・・・。


「ん?なんかいるぞ??あれは・・・オオカミか??」


「いんやー、あれがキュービですぅ~。」


「え!?デカくね??」



キツネを想像していた僕は、キュービのサイズに驚いた。


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