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予言の者、それは俺
奥の壁には一面、女神様的な象徴がステンドグラスで崇められている。
聖なる力がここに満ち溢れている。そう感じてしまうほど荘厳な場所だ。
聖堂と呼ばれる場所に、クレストに連れられてきた。
鎧を着た二人の見張り番を一瞥し、中に入る。
そこで、先ほどの続きを急かす。
「で、俺は一体何故ここにいるんだ?」
「君は、予言に導かれここへ来た。」
「予言?」
クレストは、そう言った。
【青年が、彼の日、ハーミッド東の草原に降り立つ。かつての勇者や剣聖同様、女神の加護を持ち大いなる力を手にする。】
「ハーミッドの神官が女神様より授かった予言。私が知り護衛団を連れ、そこで待っていた理由だ。」
どうやら俺がここに来るのは予言されていたらしい。
こっちにも知らせとけ。
何の心の準備もないまま来ちまったじゃないか、全く。