表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/15

6・無作為と選択

 ランダム種族。それは、キャラ作成時の種族選択リストに、極稀な確率で混入されている事がある、シークレット的存在な種族にβテスター達が付けた名前です。

 二ヶ月間に渡って行われたβテストを通しても、たった三つしか確認されていませんが、そのどれもが通常の種族達とは比べ物にならない初期ステータスを持ち、種族ごとの特殊で強力なスキルを習得出来たそうで、そのランダム種族を獲得出来た幸運な三人は、トッププレイヤーとして名を上げたそうです。


 しかし、私の目の前のウィンドウに表示されているのは、βテストで発見された「悪魔族」「翼人族」「ウンディーネ」だけでなく、「天使族」「鬼人族」「サラマンダー」「シルフ」「ノーム」の四つの文字もあり。

 つまりはこれらって、初発見の種族って事ですよね?

 おおッ!私、いきなり凄い発見しちゃいましたよ!!

 あ、これってもしかして、さっき貰った称号と関係あったり……?

 最初に始めたご褒美に、シークレットをどれでも選んでいいですよ!みたいな。

 うん。普通にあり得そうです。

 となると、やっぱりこれらを選んでみたい、という気もしますが……まずは、詳細をチェックしなければ、ですね。

 悪魔族は『腕力・知力特化、精神・敏捷重視』……って、な、何ですか、この初期ステータス!


 種族:悪魔族 基礎Lv1

 職業:なし

 HP:35/35 MP:45/45 SP:45/45

 腕力:10 体力:5 敏捷:9

 知力:12 精神:9 器用:5


 人族なんか、これですよ!?


 種族:人族 基礎Lv1

 職業:なし

 HP:25/25 MP:25/25 SP:25

 腕力:5 体力:5 敏捷:5

 知力:5 精神:5 器用:5


 一番低い体力と器用のステータスでさえ同じなのに、一番高い知力は二倍以上もあるという……しかも、他の四つもほぼ二倍だし……。

 悪魔族以外の六つも、項目は違えど、数値は同じ様なものでした。

 ステータスの数値を総計にすると、人族他通常の種族で30。ランダム種族は50。この差、1.5倍以上……。

 これのせいでゲームバランス崩れませんかね?まあ、だからこそ、βテスター五千人中三人しか当たらない様な確率何でしょうけど……。

 けど、これは絶対にランダム種族を選んだ方が良いですね。これを選ぶだけで、他の人達に差を付けられますし。

 一応、どの種族や職業を選ぶかも考えてきたんですが……いいです。ここは、インスピレーション、直感でピピッと来た奴にしちゃいましょう!

 私の場合、こんな風に選択肢を突き付けられた時は、理屈ではなく、直感を信じた方が良い結果になるのです!

 豪運さんの手助けもあって、私は選択の結果を悔いた事が、ほとんど一度もありません。冗談ではなく、結構真面目に。


 それじゃあ、どれにしましょうかねー。

 ウンディーネ、サラマンダー、シルフ、ノームはそれぞれ、水、火、風、土属性に関するパラメーターが上昇し、《妖精魔法》という特殊な魔法スキルを獲得出来るみたいです。

 でも、これらはパスですかね。

 FPFで魔法を発動させるには、実際に呪文の詠唱が必要です。

 唱える呪文は日本語ではなく、〈バステラ語〉という名前の、FPF開発陣が考え出した魔法詠唱専門言語なのですが……ぶっちゃけ、外国語を話すのと何ら変わりません。

 なので、日本語ではない言葉を理解して、早口やどんな状況でも完璧に発音出来る人なら、魔法職として優秀な戦力になれます。

 しかし私は、英語が死ぬほど苦手なんです……。

 単語は覚えられないし、文法は理解出来ないし、発音は難しいし、ヒアリングは聞きとれないし、英語担任の二瓶は私の事不躾な目で見てくるし!

 あっ、最後は英語の不得意と何も関係ありませんでしたね。すいません。

 でも、二瓶が気持ち悪いのは本当ですよ?

 自慢では無いですが、私は結構な巨乳の持ち主です。彩ちゃんや学校の友達、さらにはお母さんや先生達にまで羨ましがられるぐらいには。

 それを気に入ったのか、二瓶は私に会う度、胸を舐め回す様に見て来ます。気色悪過ぎです!

 けど、そんな場面になる度に彩ちゃんがさり気なく助けてくれて……彩ちゃんは本当に格好良くて、大好きです!


 おっと。話が逸れてしまいましたね。

 そんな訳で、どう考えても魔法を主武器にした方が良いこれらは、私には向いていないのです。

 悪魔族、天使族は、それぞれ《闇魔法》《光魔法》を習得出来ます。

 βテストで発見された属性魔法は、火、水、土、風、雷、氷、樹、闇の七つですが、この内、《闇魔法》は悪魔族になる以外の習得方法が見つからず、オリジナル魔法と呼ばれていたと、とあるサイトには書かれていました。

 《闇魔法》もそうですが、《光魔法》は見つかってすらもいないですし、どちらを選んでもオリジナル魔法となるのは確実です。

 加えて、悪魔族は《破壊術》、天使族は《守護術》という特殊スキルを習得出来るみたいです。

 守護術の方の詳細は分かりませんが、破壊術は部位破壊や武器破壊に特化した武術スキルだそうです。βテストで悪魔族となった人は、この破壊術とデバフが強力な闇魔法を駆使する魔法拳士となり、相手が嫌がる事ばかりするせいで、【残虐非道】という呼び名を付けられたとか。可哀想に。

 破壊術がその名の通り破壊するスキルなので、守護術も恐らく自分や誰かを守る事に特化したスキルだと思います。天使族は物理防御、魔法防御に関する体力と精神の数値が高いですし、天使が守るっていうのもイメージ通りです。

 つまり、この二つを選べば、オリジナル魔法を習得出来る上に、悪魔族なら魔法と破壊術を使って魔法と物理の両方で、天使族なら魔法も使う神官系の壁戦士として無双出来そう!なのですが、これも先程と同じ理由で無しですね。

 幾ら魔法以外に主軸となるスキルがあっても、魔法が主力な事には変わりありませんし。


 次は翼人族ですが……この種族は、何と!空が飛べるそうです!

 名前通りに背中から翼が生えており、それで自由自在に空を駆け回れるのだとか。

 βテストでは、闘技場と呼ばれる施設で行われていた闘技大会で、上空から急降下し、一撃加えてから急上昇するヒット&アウェイ戦法で殿堂入りを果たし、伝説となったらしいです。

 空飛べるっていいですよねー。有力候補としておきましょうか!

 そして、最後は鬼人族ですね。

 よし。これにしましょう!

 え?詳細見なくていいのかって?

 別にいいのです。私の直感が、これにしろ!と叫んでいるのですから!!

 と、冗談はここまでにして。

 きちんと詳細も見ましたよ?その上で、これがいいと思ったんです。


 種族:鬼人族 基礎Lv1

 職業:なし

 HP:70/70 MP:5/5 SP:50/50

 腕力:15  体力:13 敏捷:11

 知力:1  精神:3  器用:7


 ステータスは、『腕力・体力特化、敏捷重視』。腕力とかは人族の三倍もある代わりに、知力と精神が限界まで削られた、いわゆる脳筋仕様です。

 でも、それがいいんです!

 私、どんなに鍛えても筋肉が付きにくい体質で、筋力が少ない事が悩みで……。

 なので、FPFでは力自慢になろう!と思っていたんです。最初の予定では、腕力が高い「獣人・熊」になって、大剣でも使おうかな、とか考えていたんですけど、それを超えるものが、ここに在りました!

 という事で、種族は鬼人族で決定です。

 ウィンドウをポチッとな。

 ここまで来るのに、大変かかってしまいました……。

 職業は、もう少しちゃちゃっと終わらせたいですね。


種族と職業を今回だけで決める予定だったのに、またしても思い通りにならなかった……

もうちょっとどうにかならないかな……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ